目立つ傷跡を、より目立ちにくく
当院の瘢痕形成術は、成熟した傷跡(白く落ち着いており、痛みも痒みもなく、これ以上変化のない状態)を、線の方向・形・質感を整えることで見え方を改善する手術です。完全に「消す」ことはできませんが、周囲になじませて気になりにくくすることを目標にします。
この治療でできること/できないこと
できること
- 太く目立つ、また色がついている傷跡を細くまっすぐに整える(単純切除)
- 直線的で目立つ線をジグザグ(Z形成/W形成)に変え、乱反射+しわになじませて目立ちにくくする
- 部位や大きさに応じて、段階的(連続)切除で少しずつ幅広い瘢痕を縮小する
できないこと
- 傷跡を完全にゼロにすること
- 元の皮膚の色・質感を完全に再現すること
対象となる傷跡
- 切り傷や手術痕などの成熟瘢痕(白く落ち着いており、痛みも痒みもなく、これ以上変化のない状態)
- 顔・前額・まぶた周り・頬などの直線的で凹みなどもある目立つ線状瘢痕
- 身体の幅広い(面状の)瘢痕で、1回では切除しきれないもの(→連続切除を検討)
術式の種類
1)単純切除
太く目立つ、また色がついている傷跡を紡錘形に切除して、丁寧に層状縫合します。
- 仕上がりのイメージ:1本の細い線
- 向いている部位:顔面・体幹・四肢の太い、または色調の異常がある傷跡
2)ジグザグ形成(Z形成/W形成)
直線で光を反射して目立つ傷跡を、細かなジグザグに置き換えます。
- Z形成:線の方向を変える/ひきつれ(拘縮)をゆるめるのに有効
- W形成:短めの線状瘢痕で、乱反射により視認性を下げるのに有効
3)連続切除(段階的切除)
幅が広い・一度に取り切ると皮膚の張りが足りない場合、数回に分けて少しずつ切除します。
- 各手術の間隔は「半年以上」空けます
- 手術ごとに安全なテンションで閉創し、変形を避けながら縮小
※ 欠損が大きくなるケースでは、局所皮弁や植皮を検討することもあります。
併用療法(より目立ちにくくする工夫)
- フラクショナルレーザー:術後3か月後から行う場合があります。軽度の凹凸や表面の質感をぼかす目的。
- ロングパルスNd:YAGレーザー:術後2か月後から行う場合があります。赤みを早めに改善。
- ボトックス(ボツリヌス毒素):当院では全症例に行うことをお勧めしています。創部の張力を下げ、赤みや再肥厚を予防。
- ステロイドのテープ:術後2週間後から行う場合があります。再肥厚予防の補助として使用。
- 放射線治療:再発リスクが高い/特殊なケースでは、昭和大学江東豊洲病院 放射線科と連携して実施の可否を検討します。
- 使用しない薬剤:5-FUは当院では使用していません。
手術の流れ
- 診察・デザイン:部位・しわの方向・皮膚の張りを評価し、最適な切開線を決定
- 麻酔:基本は局所麻酔
- 切除・形成:単純切除/Z形成/W形成/連続切除
- 縫合:深部は吸収糸、表層は細い糸で層状縫合
- 帰宅・ケア:創部保護、テーピング・保湿をご案内
ダウンタイム・通院
- 腫れ・赤み:数日〜数週間
- 抜糸:約1週間前後
- 安静目安:術後2週間は強い運動・入浴・飲酒を控える
- テーピング/保湿:3か月以上推奨
- ジグザグ形成は数日内に早期診察をお願いする場合があります
合併症
- 出血、血腫、感染、痛み、腫れ、傷跡が残る/再肥厚、ひきつれ、薬剤アレルギー、残糸露出、知覚変化など。
- 当院では術後1年以内の変形に対して、再手術やヒアルロン酸での微調整を無料で行います※再診料・処置代・薬代は別途)。
費用
切除範囲・術式により異なります
| 範囲 | 顔面 |
| 2.0cm以下 | ¥250,000 |
| 4.0cm以下 | ¥400,000 |
| 6.0cm以下 | ¥525,000 |
| 8.0cm以下 | ¥700,000 |
| 8.1cm以上 | ¥875,000 |
| 範囲 | 顔面以外 |
| 3.0cm以下 | ¥250,000 |
| 6.0cm以下 | ¥400,000 |
| 9.0cm以下 | ¥525,000 |
| 12.0cm以下 | ¥700,000 |
| 12.1cm以上 | ¥875,000 |
保険適用の有無は診察時にご説明します
よくある質問(Q&A)
手術で傷跡は消えますか?
消えることはありません。より細く・不規則化して目立ちにくくするのが目的です。
Z形成とW形成はどう違いますか?
Z形成は方向を変える/拘縮を緩めるのに有効で、W形成は短い線を乱反射で目立ちにくくする方法です。
連続切除はどのくらい間隔を空けますか?
半年以上の間隔を空けて安全に段階的に縮小していきます。
レーザーはいつ頃から可能ですか?
フラクショナルレーザーは術後3か月後から、ロングパルスNd:YAGレーザーは術後2か月後から行う場合があります。
ボトックスは必ず行うのですか?
はい、当院では全症例に行うことを推奨しています。創部の張力を減らし、赤みや再肥厚を予防できます。
ステロイドテープは誰でも使いますか?
必要に応じて術後2週間後から使用します。全員に必ず行うわけではありません。
放射線治療が必要になることはありますか?
特殊なケースや再発リスクが高い場合に、昭和大学江東豊洲病院 放射線科と連携して検討します。
仕事や運動はいつから再開できますか?
仕事や運動はいつから再開できますか?デスクワークは翌日〜数日後から可能ですが、運動や入浴は術後2週間以降が目安です。
再手術や微調整は有料ですか?
術後1年以内の変形に対しては、再手術やヒアルロン酸修正は無料です(※再診料・処置代・薬代は別途かかります)。
仕事や日常生活に支障はありますか?
腫れや内出血はありますが、数日でメイクで隠せる程度に回復します。日常生活には大きな制限はありません。
今すぐご相談を!LINE無料カウンセリング
長年気になっていた傷跡をあきらめていませんか? 当院では、患者様一人ひとりの傷跡の状態に合わせた最適な治療法をご提案し、自信を取り戻すお手伝いをいたします。
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傷跡でお悩みの方は、ぜひ一度、形成外科専門医の診察を受けてみてください。
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