皮膚腫瘍 | きずときずあとのクリニック 豊洲院 | 東京都江東区の形成外科・美容外科

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皮膚腫瘍

形成外科では、皮膚にできた腫瘍(できもの)の治療を行っています。

よく見られる皮膚腫瘍には、ほくろ・粉瘤・脂肪腫・イボなどの良性腫瘍がありますが、まれに悪性腫瘍の場合があり、なかなか患者さんご自身で見分けることは難しいでしょう。

また、皮膚腫瘍には痛みを伴わないものが多いので放置しがちですが、自然治癒は少なく、むしろ時間経過により大きくなることがよくあります。小さい腫瘍のうちに治療した方が、治療の傷跡が目立ちにくいので、気になる腫瘍・できものがある場合には、一度ご来院いただくことをおすすめします。

当院では皮膚腫瘍に対して、できるだけ目立たない傷跡になるよう配慮してレーザー治療や切除手術を行っています。治療は局所麻酔をして30分~1時間程度で終わります。

お気軽にご相談ください。

皮膚腫瘍とは?

腫瘍とは細胞の一部が病的に変化して、正常とは違う形で増殖したもののことで、中でも皮膚の表面や皮膚の下にできたものを「皮膚腫瘍」と呼びます。

皮膚腫瘍には、大きく分けて「良性腫瘍」と「悪性腫瘍」があり、それぞれ治療方法が異なります。

良性腫瘍

良性腫瘍とは、細胞の増殖が緩やかで、その場に留まっている「できもの」です。

基本的に生命を脅かすようなことはありません。

治療は、主に腫瘍部分の摘出手術になります。小さいほくろなど腫瘍の種類やできた部位により、レーザー治療が適応となる場合もあります。

代表的な良性腫瘍には、黒~褐色で小型の色素性母斑である「ほくろ」、硬いできもの「粉瘤(ふんりゅう)」、柔らかいできもの「脂肪腫(しぼうしゅ)」があります。

※ほくろ・粉瘤・脂肪腫については、「当院で取り扱う代表的な皮膚腫瘍」にて詳しく説明しています。

ほかにも、子供に多く見られ、顔(まぶた)・腕・首に発生して、皮膚の一部が石灰のように硬くなるできもの「石灰化上皮腫(せっかいかじょうひしゅ)」、皮膚に入ったガラス・小石・砂・鉛筆・シャープペンの芯などを長時間放置していることで慢性炎症を起こしたできもの「異物肉芽種(いぶつにくがしゅ)」などがあります。

悪性腫瘍

悪性腫瘍は、細胞の増殖スピードが速い上、無限に増殖したり、組織に入り込んで転移したりするため、放置すると生命が脅かされる恐れがあります。

悪性腫瘍は、主に以下のような特徴がみられます。

※ただし、下記のような特徴がみられない悪性腫瘍もあります。

  • 出血する
  • ジュクジュクする
  • 周囲との境界が不明瞭

増殖スピードが速いので、できるだけ早く病巣部周辺の正常部分も含めた「切除手術」を行うことが必要となります。場合によっては、その後「再建手術」が必要となる場合があります。

※全身麻酔による手術や入院加療が必要となる場合には、提携の大学病院等をご紹介させていただいております。

代表的な悪性腫瘍には、顔面(特に鼻・まぶた)にみられ黒くほくろに似ている「基底細胞癌(きていさいぼうがん)」、ふぞろいな形の紅色のできもの「有棘細胞腫(ゆうきょくさいぼうがん)」、メラノーマと呼ばれ、比較的大きい濃淡のある黒色のほくろのがん「悪性黒色腫(あくせいこくしょくしゅ)」があります。

当院で取り扱う代表的な皮膚腫瘍

様々ある皮膚腫瘍の中でもポピュラーな皮膚腫瘍であり、当院を受診される方に多い代表的な皮膚腫瘍をいくつかご紹介します。

粉瘤

粉瘤は皮膚にできる良性腫瘍の代表格で、皮膚からポコッと硬く盛り上がった半球状の固まりです。「脂肪のかたまり」と表現されることもありますが誤りで、実際は角質や皮脂など「垢のかたまり」です。垢は、上皮成分によって形成された皮膚の下の袋の中に溜まるため、真ん中に黒っぽい点(開口部)がみられることもあります。皮膚が破けると、中から膿と臭いかたまりが出てきます。

背中やうなじ、頬、耳たぶなどによくみられますが、体中どこにでもできます。放っておくと、ゆっくり大きくなることが多く、細菌感染すると赤く腫れて痛みを伴います。

発生原因は不明の場合がほとんどで、体質によってできやすい人もいます。

手術による摘出が唯一の治療法であり、局部麻酔をして袋ごと内容物を摘出します。

当院では、粉瘤の周りをひし形に切り込むポピュラーな切除方法「紡錘切除術」のほか、粉瘤の中心を切り抜くことで傷跡が小さく済む「くり抜き法」も行っています。患者さんの状態を確認した上で、より傷跡が目立ちにくい方を選択します。

※粉瘤については、以下のページでも紹介しております。

粉瘤
(画像)粉瘤
粉瘤のイメージ
(図)粉瘤のイメージ

ほくろ

「色素性母斑」と呼ばれる皮膚腫瘍で、先天性・後天性や大きさ、色も黒~茶色と様々です。原因ははっきりとしていませんが、後天性の場合、紫外線や刺激などが発生要因としてあげられます。治療法は、小さいほくろではレーザー治療で焼き取る方法、大きいほくろでは手術でくりぬく方法があります。基本的に小さなほくろは良性腫瘍が多く、悪性化することはあまりありませんが、次第に大きくなる・色の濃淡がある・左右非対称の形状・境界が不明瞭などのほくろでは、悪性化の可能性があるため、早めに受診されることをおすすめします。

※ほくろについては、以下のページでも紹介しております。

ほくろのイメージ
(図)ほくろのイメージ

脂肪腫

皮膚の下にできるできものの中では、最も多くみられる良性腫瘍で、痛みのない柔らかいできものです。※ごく稀に悪性の場合があります。

皮膚の浅いところにできるもの、筋肉近くの深いところにできるものがあります。

また、単発性のできものですが、稀に多発する「血管脂肪腫」もあります。

子どもの頃に発生すると考えられていますが、時間をかけて大きくなるため、40代~50代になって、脂肪腫がある程度大きくなってから気づかれ、受診されるケースがほとんどです。

発生しやすい場所は背中や肩・首・後頭部、腕・足で、腕・足・おでこにみられることもあります。

MRIやCTなどの画像診断によって深さや大きさを確認した上で、手術で摘出します。小さいものでは局所麻酔で行いますが、大きいものや患部周辺に血管・神経などがあり全身麻酔が必要と思われる場合には、提携の大学病院をご紹介します。

※脂肪腫については、以下のページでも紹介しております。

脂肪腫のイメージ
(図)脂肪腫のイメージ

皮膚腫瘍の検査・診断

皮膚腫瘍が疑われる場合には、次のような検査を行います。

問診・視診・触診

痛みや腫れなどの臨床症状、皮膚腫瘍ができた時期・経過など詳しくお伺いさせていただきます。

また、当院では「ダーマスコープ」と呼ばれる、皮膚を10~30倍程度に拡大することができる器具を用いて、皮膚の状態を詳しく診察しています。

皮膚生検(病理検査)

必要に応じて、切除した腫瘍の一部を顕微鏡で詳しく調べて、腫瘍の種類(良性・悪性)などを確認します。

特に初期段階の皮膚の悪性腫瘍は、問診等だけでは判断が難しい場合もあるため、顕微鏡で細胞をよく観察することで、確定診断が可能となります。

検査結果は、約1~2週間後となります。

画像診断(MRI・CT検査)

脂肪腫や血管腫などの軟部腫瘍が疑われる場合には、MRIやCT検査などの画像診断を行うことがあります。

※当院では行っていないため、必要に応じて、提携施設をご紹介します。

皮膚腫瘍治療の種類

皮膚腫瘍の基本治療は、「腫瘍の摘出」となります。

できものの大きさ・種類によって、外科手術で切除する方法、レーザーなどで焼き切る方法があります。

当院の皮膚腫瘍治療は、腫瘍の種類や部位、患者さんの治療法に対するご希望などを考慮しながら、将来的な傷跡を予想して「できるだけ傷跡が目立たなくなる治療法」をご提案しております。また、同時に当院は傷跡の治療も専門としているクリニックですので、治療後の傷跡に対してもしっかりと責任を持って治療を行います。

手術療法

皮膚腫瘍の基本的治療となるのが「手術療法」で、保険診療で行うことが可能です。

大きさや腫瘍の種類によって詳細は異なりますが、良性腫瘍の場合、局部麻酔でできものだけを切除する手術となる場合が多いです。

悪性腫瘍の場合には、速いスピードで大きくなり、周りの組織に入り込んだりするため、正常な部分を含めて腫瘍より少し大きめに切除する必要があります。また、切除によって変形が生じることがあり、その後再建手術が必要となるケースもあります。

腫瘍が大きい場合や周りに血管・神経があるなど全身麻酔が必要となる場合には、提携の大学病院をご紹介させていただきます。

なお、手術で切除した組織は病理検査に出して、より詳しく調べます。

起こりうる副作用:術後出血・痛み・内出血・感染・ケロイドなど

レーザー治療(自由診療)

皮膚腫瘍でも比較的小さいほくろ・血管腫などについては、「炭酸ガスレーザー」によるレーザー治療が可能です。

炭酸ガスレーザーは細胞内の水分と反応して、熱エネルギーを発生させるレーザーです。照射すると一瞬で組織を蒸散(蒸発させ外に出す)させ、周りの皮膚組織にあまり影響を及ぼさず、腫瘍部分だけ除去でき、真皮を残して治療できるため、ほとんど跡が残りません。

また、照射周辺の血管はレーザー熱による凝固作用が働くため、メスで切除・摘出するよりも出血を抑えることが可能です。局所麻酔を行ってから治療しますので、痛みの心配はありません。

適応となる皮膚腫瘍:小さなほくろ・血管腫・脂漏性角化症や首にできるイボなど

※場所や大きさによっては「切除・摘出手術」をご案内することもあります。

起こりうる副作用:赤み・内出血・色素沈着・ケロイドなど

炭酸ガスレーザーによる皮膚腫瘍治療の費用(税込み)は、以下の通りです。

炭酸ガスレーザー

範囲料金
単発性のほくろや大きなシミ 合計2個まで¥22,000
上記、1個増えるごとに追加料金
※術後半年以内の再発に対しては再度のレーザー照射は無料
(診察代などはかかります)
¥5,500
多発性のいぼやシミ 2cmまで¥22,000
上記、1mm増えるごとに追加料金
※術後半年以内の再発に対しては再度のレーザー照射は無料
(診察代などはかかります)
¥1,100

よくある質問

皮膚腫瘍(できもの)は、皮膚科か形成外科か、どちらに行けばよいか迷っています。

形成外科診療だけでなく皮膚科診療も行っておりますので、皮膚に関するトラブルがありましたら、なんでもご相談ください。
なお、皮膚腫瘍は皮膚科(皮膚外科)でも扱っていますが、特に高度な再建や顔面など整容性*1が重視される場合などについては「形成外科」で治療することが一般的です。

*1整容性:身なりを整えること
(参考)他科との関係|日本形成外科学会

私たち、形成外科医は腫瘍を取り除くといった機能的な回復だけでなく、形態的にもより正常に、より美しく治療することを得意としています。

皮膚腫瘍を治療したいのですが、手術で傷跡が残らないか?と心配なのですが・・・。

皮膚を切開し腫瘍を取り除いた後に縫合する通常の手術以外にも、小さなパンチで穴を開けて腫瘍をくり抜く低侵襲な手術法やレーザー治療など、患者さんの状態に合わせて、できるだけ傷跡が小さく目立たない治療法を選択して、患者さんのご負担を軽くするよう努めております。
また、治療による傷跡ができてしまうケースでも、傷跡を専門とするクリニックとして、しっかりと対応させていただきます。
治療内容などご不明な点がありましたら、お気軽にご相談ください。

初診当日に手術やCO2レーザーでの治療はしてもらえますか?

初診当日に手術やCO2レーザーでの治療は行っておりません。手術、CO2レーザーが必要と医師が判断しましたら、別の日程で予約を取らせていただきます。手術予定の方は採血検査も行います。

院長よりひと言

当院での治療の基本は、「傷跡をきれいにすること」です。

せっかくできものを取っても、その後の傷跡で悩んでは意味がありません。

術後も傷跡がきれいになるようにフォローさせていただきます。

記事執筆者

院長村松英之
きずときずあとのクリニック豊洲院院長 村松英之

資格

日本形成外科学会専門医
日本熱傷学会専門医
日本創傷外科学会専門医
皮膚腫瘍外科分野指導医
小児形成外科分野指導医