ほくろ | きずときずあとのクリニック 豊洲院 | 東京都江東区の形成外科・美容外科

ほくろ

「ほくろ」とは?

ほくろの特徴

「ほくろ」は医学的には「色素性母斑(しきそせいぼはん)」と呼ばれます。母斑とは「アザ」のことで、ほくろは比較的小さな黒~茶色のできものです。ほくろは皮膚内でメラニン(色素)を作る細胞の母斑細胞が増えることによって発生します。

子どもの頃は平らなほくろでも、大人になって母斑細胞が皮膚の深いところで増えるとイボのように盛り上がってくるなど、形状は様々です。

ほとんどのほくろは良性ですが、巨大なほくろなどは悪性化する可能性もあります。

また、ほくろの悪性化初期段階は、一見して良性のほくろとは見分けがつかないことも多いです。少しでも違和感のあるほくろがある場合には自己判断せずに、早めにご受診されることをおすすめします。

ほくろ
(画像)ほくろ

医学名:黒子(こくし)、色素性母斑、色素細胞母斑(しきそさいぼうぼはん)、母斑細胞母斑(ぼはんさいぼうぼはん)

形状:平らなもの~盛り上がったもの、サイズは小さい~大きいもの(5mm~1cm程度)、色は黒~茶~青みを帯びるなど様々

できやすい場所:からだ中どこでも(特に顔・手のひら・腕・足・首など紫外線が当たりやすいところ)

ほくろの種類

ほくろと言っても、どれも同じではありません。実はよく観察すると、いくつかの種類に分かれます。

  • 境界母斑
    母斑細胞が表皮と真皮の境にあり、黒くて平らなほくろに見えます。
  • 複合母斑
    母斑細胞が表皮と真皮の境界部分から真皮の浅い部分に存在します。黒~褐色で少し膨らんで見えるほくろです。
  • 真皮内母斑
    母斑細胞が真皮内だけにあり、薄茶色~灰色の盛り上がったほくろに見えます。
  • 先天性色素性母斑
    産まれた時から存在するほくろです。このようなほくろは大きいものが多く、「黒アザ」というイメージの方が合っているかもしれません。ほくろ部分に毛が生えてくることがあります。
    また、直径20cmを超える「巨大色素性母斑」は、将来メラノーマ(ほくろのがん)となる可能性があるため、がん化する前に手術で除去することをおすすめします。
  • 爪甲線条母斑(そうこうせんじょうぼはん)
    爪の根元にできるほくろで、爪に黒い縦線ができますが、ほとんどが良性のほくろです。
    乳幼児期に発症した爪甲線条母斑は5歳頃まで大きくなったり濃くなったりすることがありますが、思春期頃になると自然に消えていくため、年2回程度の経過観察で心配ありません。しかし、大人になってからできた爪甲線条母斑は、悪性化腫瘍の早期病変の可能性があります。
    特に幅が6mm以上あり、爪全体に拡大傾向だったり、爪が崩れてくるように変形していったりするものは悪性化を疑って、早めにご受診ください。
  • メラノーマ(悪性黒色腫:あくせいこくしょくしゅ)
    メラノーマは、「ほくろのがん」とも呼ばれる皮膚がんの一つです。皮膚の色と関係するメラニン色素を作る細胞の「メラノサイト」や「母斑細胞(ほくろの細胞)」が悪性化したものです。発生要因には外的刺激や紫外線が関係していると考えられています。
    男女とも60歳代以降の高齢者に多くみられます。メラノーマは体、顔、首、爪など様々な部位にみられ、中でも足の裏が最も多く発生しますが、発生確率は100万人あたり約10~20人と、それほど頻度は高くありません。

<メラノーマ早期症状の特徴>

  1. 形が非対称
  2. ほくろの輪郭がギザギザしている
  3. 色合いが均一でなく、むらがある
  4. 大きさが6mm以上
  5. 大きさ・色・形・症状などが短期間(1~2年で)変化してくる

上記のような特徴がみられる場合には、速やかにご受診ください。

ほくろの原因

ほくろが発生する原因は、メラニン色素を作る色素細胞(メラノサイト)が変化した母斑細胞の増殖です。母斑細胞が表皮~真皮で増えることによって、ほくろとなります。

また、「母斑細胞」は皮膚の浅いところ(表皮)にあると平らですが、皮膚の深いところ(真皮)で増えるにつれて盛り上がったほくろになります。

ほくろ発生のイメージ
(図)ほくろ発生のイメージ

ほくろの発生要因

ほくろの多くは後天性であり、以下のような要因によって、ほくろができやすくなります。

  • 日常的に紫外線を多く浴びる
    ほくろができる一番の要因となるのが、「紫外線」です。肌が紫外線による刺激を受けることによって、肌を守るためにメラニン色素が活発に作られます。
    特によく外で運動する方や外仕事の方は、ほくろが増えやすい環境ですので、要注意です。
  • 外的な皮膚刺激
    きつい服(下着)や靴擦れなど圧迫されたり擦れたり、洗顔やメイク時に肌を強くこすってしまうなど外的刺激によって、ほくろができやすくなります。
  • ターンオーバー(お肌の新陳代謝)の乱れ
    ストレスがある方、栄養バランスが偏っていたり夜更かしが続いていたり生活習慣の乱れがある方は、ターンオーバー機能が正常に働かず、メラニンを適切に排出できなくなり、肌に溜まってしまいます。
    また、生理不順などホルモンバランスの乱れでもターンオーバーのサイクルが崩れます。

ほくろの検査・診断方法

問診・視診・触診

痛みの有無、ほくろができた時期・経過など、詳しくお伺いさせていただきます。

また、ダーモスコープ(拡大鏡)を使って、皮膚をよく観察します。

肉眼では判断の難しい病変も、約10~30倍に拡大して観察することで診断制度が向上します。

皮膚生検(病理検査)

肉眼やダーモスコピー(ダーモスコープを用いた検査)である程度「良性」「悪性」の判断は可能です。

しかし、悪性の可能性が少しでもあれば、皮膚を一部切り取って、顕微鏡で詳しく調べる検査を行うことがあります。病理検査を行うことで確定診断が可能となります。

ほくろの治療法と除去後の注意点

当院では、ほくろのサイズや部位などを考慮しながら、将来的な傷跡を予想して「傷跡が目立たなくなる治療法」をご提案しております。

ほくろを保険診療にて治療するには、除去手術が必要となります。手術では母斑細胞を完全に取り切ることができるので再発は少ないです。さらに、摘出したほくろは、必ず病理検査に出して調べいます。なお、美容目的の平坦なほくろや小さなほくろではレーザー治療が可能ですが、自由診療となります。

※当院では初回診察当日は手術を行っておりません。また、レーザー治療も初回診察当日には行えない場合があります。受診時に手術またはレーザー治療の実施日のご予約をお願いしています。なお、手術予定の方には、初回診察日に採血検査を行います。

除去手術の所要時間:約30分(麻酔時間込み)

起こりうる副作用:術後出血・痛み・内出血・感染・ケロイド(傷跡の盛り上がり)など

摘出手術の方法には2パターンあり、いずれの場合も局部麻酔をしてから除去しますので、痛みの心配はありません。

手術①くり抜き法

ほくろの形に添って、円形筒状のメスで小さくくり抜く方法で、主に5mm以下の小さなほくろが適応となります。従来からある手術法(紡錘切開)よりも切開する皮膚量を小さくすることができるため、体への負担を軽くできる低侵襲な手術法です。

※全てのほくろに適応できるものではありません。患者さんの状態によっては、従来の紡錘切開法が適応になることがあります。

メリット:一直線状の傷跡にはならず傷跡が小さく済む(縫わなくてよい場合もある)、手術時間の短縮(数分程度)、再発率は紡錘切除術と変わらない

デメリット:傷跡が盛り上がったりへこんだりすることがある、術後出血が起こる可能性がある、大きいほくろだと傷跡がケロイド化することがあるので行えない

起こりうる副作用:術後出血・痛み・内出血・感染・ケロイド(傷跡の盛り上がり)など

治療後:術後約2週間軟膏やテープ保護が必要

ほくろのくり抜き法イメージ
(図)ほくろのくり抜き法イメージ

手術②紡錘切除法(ぼうすいせつじょほう)

皮膚外科の基本的な切開方法です。縫合しやすいようにできものを紡錘形(ひし形~レモン型)に切り込みを入れて、ほくろを切除・摘出するため、ほくろの組織を完全に取り切ることが可能です。くり抜き法に比べ、傷跡が大きくなりますが、当院は傷跡の治療も専門としているクリニックですので、できるだけ傷跡が目立たなくなるよう、しっかりと責任を持って治療を行っています。

なお、手術で切除した組織は病理検査に出して、念のため詳しく調べることが可能です。

術後の抜糸は約1週間後となります。

メリット:ほくろの組織(母斑細胞)の取りこぼしが少ないので再発しにくい、術後の傷跡管理がしやすい

デメリット:ほくろの直径に対して約2~3倍の長さの線状傷跡となる(半年くらい時間が経つと、白い線状になる)

起こりうる副作用:術後出血・痛み・内出血・感染・ケロイド(傷跡の盛り上がり)など

ほくろの紡錘切除法イメージ
(図)ほくろの紡錘切除法イメージ

手術③切除+皮弁形成術

ほくろの切除後、そのまま単純に縫合すると、非常に大きな傷跡となることが予想されるときに行う方法で、近くの皮ふをずらして(回転させて)塞ぐ方法です。主に鼻や口周りなどの大きなほくろに適応があります。

メリット:できるだけ目立たない傷跡にする、ほくろの組織(母斑細胞)の取りこぼしが少ないので再発しにくい、術後の傷跡管理がしやすい、

デメリット:縫い痕が北斗七星のような線状になるが、単純に縫うよりは短い全長となる(半年くらい時間が経つと、白い線状になる)

起こりうる副作用:術後出血・痛み・内出血・感染・ケロイド(傷跡の盛り上がり)など

切除+皮弁形成術イメージ
(図)切除+皮弁形成術イメージ

炭酸ガスレーザー(自由診療)

比較的小さいほくろでは、「炭酸ガスレーザー」によるレーザー治療が可能です。特に盛り上がりのあるほくろの治療に適しています。

炭酸ガスレーザーは細胞内の水分と反応して、熱エネルギーを発生させます。照射すると一瞬で組織を蒸散(蒸発させ外に出す)させ、周りの皮膚組織にあまり影響を及ぼさず、ほくろ部分だけを除去します。

また、照射周辺の血管はレーザー熱による凝固作用が働くため、くりぬき法などメスで切除・摘出するよりも出血を抑えることが可能です。局所麻酔を行ってから治療しますので、痛みの心配はありません。

メリット:メスよりも出血が少ない、傷が治るまでの治療がより簡単に行える

デメリット:組織を焼いてしまうので病理検査ができない(良性・悪性の確定診断ができなくなる)、3mm以上の大きいほくろでは傷跡が目立つことがある

レーザー除去の所要時間:約15分

起こりうる副作用:赤み・内出血・色素沈着・ケロイドなど

ほくろ除去治療後の注意点

ほくろの除去治療後は、以下の点に注意して過ごしましょう。

  • 手術痕(創部)の安静が一番大切
    除去治療した当日は自宅でゆっくりお過ごしください。
  • 手術当日は手術部分を濡らさないようにして、翌日以降入浴可能
    ※手術部分以外は当日から通常通り洗ってOK
  • 術後1週間は、飲酒や激しい運動を避ける(体育も見学する)
    ※血行が良くなると、血腫リスクが上がる
  • 除去後1~2週間は患部に軟膏を塗り、テープやガーゼ保護が必要
  • 手術部位のお化粧は1~2週間後から可能
    ※手術部位以外は、当日からお化粧OK
  • レーザー治療後、ハイドロコロイドの絆創膏を少しの間付ける必要がある
    綺麗に治すポイントは乾燥させないようにすることです。傷が治るまで約2~3週間絆創膏を付けておきます。
  • ほくろ除去後は、徹底した紫外線予防を行う

除去治療後は色素沈着を起こしやすいため、これまで以上に念入りな紫外線対策が必要となります。

ほくろ治療の費用目安

ほくろの保険治療は除去手術が必要となります。

なお、レーザー治療は自由診療です。

除去手術の治療費用目安(税込み・3割負担)は、以下の通りです。

なお、下記費用に加え、麻酔・病理検査費用3,000円程度、処方薬費用が500円程度かかります。

部位範囲料金
顔面や首、頭、肘〜手指先、
膝〜足趾先の部分
2cm未満5,000〜6,000円程度
2~4cm未満12,000〜14,000円程度
4cm未満13,000〜15,000円程度
上記を含まない部分
(体や肩〜肘の上、股〜膝上)
3cm未満4,000〜5,000円程度
3~6cm未満10,000〜12,000円程度
6cm未満13,000〜15,000円程度

また、炭酸ガスレーザーによる「ほくろ治療」の費用目安(税込み)は以下の通りです。

※下記費用には初診料等含まれておりませんので、別途必要となります。

炭酸ガスレーザー

範囲料金
単発性のほくろや大きなシミ 合計2個まで¥22,000
上記、1個増えるごとに追加料金
※術後半年以内の再発に対しては再度のレーザー照射は無料
(診察代などはかかります)
¥5,500
多発性のいぼやシミ 2cmまで¥22,000
上記、1mm増えるごとに追加料金
※術後半年以内の再発に対しては再度のレーザー照射は無料
(診察代などはかかります)
¥1,100
ほくろ、いぼ 取り放題
(半年間有効 月に2回程度まで)
顔:¥330,000
首:¥220,000
線状瘢痕 1cm¥22,000
線状瘢痕 ~10㎠¥110,000
線状瘢痕 ~25㎠¥220,000
線状瘢痕 ~50㎠¥385,000
線状瘢痕 ~100㎠¥550,000

よくある質問

メラノーマ(悪性黒色腫)以外にも、ほくろのように見える悪性腫瘍はありますか?

メラノーマ以外にも、一見するとほくろに見える悪性腫瘍があります。

出血や潰瘍がみられる場合など少しでもおかしいと感じる「ほくろ」がありましたら、念のため一度ご受診ください。

  • 基底細胞がん(きていさいぼうがん)
    表皮の一番下基底層や毛包(もうほう)にある一部の細胞が無制限に増殖し続けるがんです。高齢者に多く、ほとんどの方が顔面(特に鼻やまぶたなど)に発生します。
    黒~黒褐色の軽く盛り上がった腫瘍です。ゆっくりおおきくなり、進行すると中心が陥没して潰瘍のようになり、出血しやすくなります。
  • 有棘細胞癌(ゆうきょくさいぼうがん)
    表皮と真皮の中間にある有棘層を構成する細胞が無制限に増殖し続けるがんです。日本人に多い皮膚がんのひとつです。
    黒いほくろというよりも、イボのように赤く盛り上がったり、潰瘍の症状がみられたりします。日本人の有棘細胞がんの半数以上は紫外線が当たる部分に発生するとされます。
    男性に多く、患者さんの過半数は70歳以上の高齢者です。
皮膚断面図
(図)皮膚断面図

ほくろの除去手術は痛いですか?

ほくろの手術およびレーザー治療は、局部麻酔をしてから除去しますので、その際の痛みはありません。ただし、局部麻酔は注射で行いますので、注射のチクっとした痛みはあります。

なお、術後の抜糸も基本的には痛みはありません。

ほくろは再発しますか?

レーザーによるほくろ除去は、比較的再発率が高くなります。レーザー治療後6か月以内に再発した場合には、無料で追加のレーザー治療をお受けいただけます。

一方、手術による除去を行った場合の再発は、まれです。

手術で除去するよりレーザー治療の方がきれいになると聞きましたが…

小さなほくろの場合、傷跡も小さく済むためレーザー治療を行うことが多いです。

ただし、場所やほくろの大きさによって、手術をした方がレーザー治療よりも将来的な傷跡はきれいになることもあります。当院は患者さんのほくろの状態を医師がしっかり診断して、患者さんお一人お一人に合った治療法を提案させていただきます。

院長よりひと言

ほくろの治療に関して重視することは「将来綺麗な傷跡になるかどうか」です。何がベストなのか患者さんによって違うので、よく相談の上、ご提案させていただきます。

記事執筆者

院長村松英之
きずときずあとのクリニック豊洲院院長 村松英之

資格

日本形成外科学会専門医
日本熱傷学会専門医
日本創傷外科学会専門医
皮膚腫瘍外科分野指導医
小児形成外科分野指導医