ヒアルロン酸注入とは
ヒアルロン酸(HA)はもともと体内にある成分で、水分を保持する性質があります。
このヒアルロン酸をへこんだ傷跡(陥凹瘢痕)の下に注入することで、内側から持ち上げて凹凸をなだらかにし、見た目を改善します。
注入直後から効果を実感でき、メイクのりや光の反射も自然になります。
※ただし、赤みや色調の改善は別治療の適応です。
対象となる傷跡
萎縮性(陥凹)瘢痕
- ニキビ跡(ローリング型・ボックスカー型)
- 手術や外傷後の線状のへこみ
術後の段差が残る部位
※アイスピック型の瘢痕や赤み・色素沈着は適応外です
治療の仕組み
- 真皮〜皮下に微量のヒアルロン酸を注入 → 内側から盛り上げる
- 内部で線維化が起こり、コラーゲンが新生 → 効果が安定
- フラクショナルレーザーやPOTENZAとの併用で持続性アップ
治療の流れ
- 診察・デザイン(凹凸や光の反射を確認)
- 表面麻酔や冷却を行う
- 極細針やカニューレを用いて微量注入
- 直後に鏡で確認し、必要に応じて微調整
- 3〜4週間後に「リタッチ(追加注入)」を行い、仕上がりを安定させる
回数・持続期間
- 初回1回+3〜4週間後にリタッチ
- 以降は6〜12か月に1回程度のメンテナンスが目安
- 研究では最長2年効果が続いた例も報告あり
ダウンタイム・副作用
- 腫れ・赤み・内出血(数日〜1週間)
- 浅く入ると青白く透ける「チンダル現象」
- ごく稀に血管塞栓(当院ではリスクを最小限にする体制を整えています)
メリット・デメリット
メリット
- 直後から凹みが改善
- ダウンタイムが比較的軽い
- ヒアルロニダーゼで溶解可能(可逆性)
- 他の治療との併用で相乗効果
デメリット
- 色(赤み・黒ずみ)は改善しない
- メンテナンスが必要(個人差あり)
- 血管閉塞などまれな合併症に注意
よくある質問(Q&A)
1回で終わりますか?
多くは1回で改善が見られますが、3〜4週間後に「リタッチ」を行うことで仕上がりが安定します。以降は必要に応じて数か月〜1年ごとに調整します。
すぐに吸収されて戻ってしまうのでは?
注入直後の腫れが引くと「減った」と感じますが、それは自然になじんだ状態です。ヒアルロン酸は数か月〜1年以上持続し、研究では最長2年改善が続いた例もあります。さらに注入部位では線維化とコラーゲン生成が進むため、完全に元に戻ることはほとんどありません。当院ではフラクショナルレーザーやPOTENZAとの併用を推奨しており、実際に再注入を希望される方は1割以下です。
赤みも良くなりますか?
いいえ。赤みには効果がありません。レーザー治療や軟膏治療を提案します。
痛みはありますか?
冷却や表面麻酔、細い針や鈍針を使い、振動を加えることでできる限り痛みを和らげて施術します。
ダウンタイムはどれくらい?
腫れ・赤み・内出血が数日〜1週間程度です。メイクは翌日から可能です。
レーザーやPOTENZAと一緒にできますか?
はい。併用でコラーゲン生成が促進され、仕上がりや持続が向上します。
凹みが深い場合でも改善しますか?
深い凹みにはサブシジョン(瘢痕の癒着剥離)やレーザーを組み合わせるとより効果的です。
保険は使えますか?
美容目的のため自由診療となります。料金は診察時にご案内します。
文献(抜粋)
- Goodman GJ, et al. A randomized, evaluator-blinded study of hyaluronic acid filler for atrophic acne scars. J Cosmet Dermatol. 2022.
- Ascher B, et al. Prospective evaluation of hyaluronic acid filler for atrophic scars with 24-month follow-up. Dermatol Surg. 2020.
- Karnik J, et al. Treatment of acne scars with injectable filler: a multicenter RCT. Dermatol Surg. 2014.
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