線状成熟瘢痕 | きずときずあとのクリニック 豊洲院 | 東京都江東区の形成外科・美容外科

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線状成熟瘢痕

線状成熟瘢痕とは

線状成熟瘢痕とは、何年も前にできた傷跡が1本の白い線のような状態で残っているものです。けがの治療で行った縫合のほか、帝王切開やその他の手術、リストカットなどが原因で起こることが多く、傷跡の線が白く、うっすら盛り上がっているような場合もあります。

成熟瘢痕の場合、すでに傷が治って長い時間が経過しているので、痛みや痒みなどの症状はなく、機能的にも問題はありません。今後、傷跡の状態が大きく変化する可能性もほとんどないため、必ずしも治療が必要になる訳ではありませんが、傷跡の部位や大きさにより、外見的に目立つような場合には、傷跡を修正する治療を検討します。

線状成熟瘢痕の治療の目的

けがややけど、手術など、何らかの理由で皮膚に傷が付くと、よほど浅い傷以外は必ず傷跡が残ります。これは、傷のダメージが皮膚表面である「表皮」の下にある「真皮」という部分にまで及んでしまっているためで、深い傷ほど傷跡も目立ちやすくなります。

このような傷跡は、時間とともに徐々に薄くなることはあっても、完全に消えることはないため、傷跡の部位や大きさによっては患者さんの大きなコンプレックスになってしまう場合があります。

そのため、当院では、形成外科的な治療で、傷跡を現状よりも薄くしたり、形を変えたりすることで、目立ちにくい傷跡に修正する治療を行っています。

治療で完全に傷跡を消すことはできませんが、見た目の印象を変えることで、患者さんは外見的に自信が持てるようになる上、気持ちも明るく前向きになるなど、精神的にも大きな効果が期待できます。

線状成熟瘢痕のおもな治療法

線状成熟瘢痕の治療には「レーザー治療」と「手術」、そして「注入」があります。これらを組み合わせて治療を行なっていきます ※原則、自費での治療となります。

レーザー治療(フラクショナルレーザー)

皮膚にレーザーを照射して傷跡を目立ちにくくする治療です。新たな傷を増やす心配がなく、日常生活への負担も少ないので、初めて傷跡の治療をするという方や手術治療はしたくないという方におすすめです。

線状成熟瘢痕の治療には、おもに「フラクショナルレーザー」を使用します。フラクショナルレーザーは、皮膚に点状の細かい穴を開けることで傷跡を薄くし、皮膚表面の凸凹を平らにする効果が期待できます。レーザー治療を受けた後は、保湿効果の高いエンビロンという化粧品で、毎日スキンケアを行っていただく必要がありますが、皮膚の凸凹が減ることで、お化粧やファンデーションテープなどで傷跡を隠しやすくなるのも大きなメリットです。

ただし、レーザー治療は、一度で大きな効果が期待できる治療ではなく、2か月に一回のペースで、最低5回以上繰り返し治療を行う必要があります。そのため、治療には年単位の長い時間がかかる上、あまり太い傷跡には十分な効果が期待できない場合もあります。

※数年経過してもまだ赤みが残っているような傷跡には「ロングパルスNd:YAGレーザー」を使用する場合もあります。

手術療法

外科手術により、傷跡の状態を変化させ、目立ちにくくする治療です。一度の治療で大きな変化が期待できます。当院では、切開や縫合の方法などを工夫することで、傷跡ができるだけきれいになるよう治療を行います。

傷跡部分の皮膚を切除する際、線状の傷跡を目立ちにくくしたり、引きつれを予防したりするため、形成外科では、できるだけ皮膚のしわと平行になるように切開を行います。そのため、しわを横切るような顔の傷跡は、細かくジグザグに切開して傷跡の形を作り替える「W形成術」を行い、縫合の跡を目立ちにくくします。

また、皮膚が常に伸び縮みして引っ張られる縦方向の傷跡は、引きつれを起こす可能性が高くなるので、敢えてジグザグに切開して横方向に変えることで、傷跡にかかる力を分散させます。

手術は局所麻酔で行い、所要時間は30分~1時間程度が目安となります。手術後は、傷口が広がらないようにテープで固定をし、傷跡の部位や大きさによっては、2週間のギプス固定が必要になることもあります。

(参考)W形成術の治療例

注入治療(ヒアルロン酸、ボトックスなど)

特に陥没した傷跡に対してヒアルロン酸を注入して、凹みを改善させる治療です。当院では基本的にフラクショナルレーザーと併用して行います。ある程度の凹みを最初に改善させることで、フラクショナルレーザーの効果も向上させることができます。またおでこや顎の部分は筋肉の動きで傷跡がへこんで目立つ場合もあります。その場合はヒアルロン酸に加えてボトックスを一緒に行うことで筋肉の動きをとめて傷跡の凹みを改善させます。ヒアルロン酸は1~2年程度、ボトックスは半年程度で効果が減ってきた場合は追加投与する場合があります。当院では厚生労働省の認可を受けたアラガン社の製剤のみを使用しております。リスクとして、膨らみが残ることがあるほか、内出血、腫れやむくみ、赤みが残る、血管塞栓があります。

線状成熟瘢痕の治療の流れ

線状成熟瘢痕の治療(レーザー治療、手術、注入)は以下のような流れで行います。

01 カウンセリング・診察

初診時には、ご記入いただいた問診表をもとに、カウンセリングと診察を行います。
患者さんのお悩みをじっくり伺い、傷跡の状態や自覚症状の有無、どの程度の改善を望まれるかなどの確認をさせていただいた上で、最適な治療をご提案いたします。
治療にかかる期間や費用なども診察時に丁寧にご説明いたしますので、ご不明な点や質問などがありましたらお気軽にご相談ください。
内容にご納得いただき、治療を希望される場合は、同意書をご記入いただき、治療の日程を決定いたします。

02 治療前準備・麻酔

治療当日は、洗顔・クレンジングなどの準備を行った後、麻酔を行います。麻酔には、注射だけでなく、塗るタイプや貼るタイプ、吸入麻酔などもございます。治療時の痛みが心配という方は、事前にご相談ください。

03 治療

麻酔の効果を確認後、レーザー治療や注入または手術治療を行います。
傷跡の部位や大きさ、状態によって治療の内容や所要時間は異なりますが、フラクショナルレーザーは一回5~15分程度、手術は15分~3時間半程度が目安となります。

04 アフターケア

治療後は、痛みや腫れを抑えるためのクーリングや、外用薬の塗布、ガーゼやハイドロコロイド製剤による保護、ギプス固定など、必要な処置を行います。

その後、術後の経過が良好になるよう、ご自宅でのケアの方法や注意点などをご説明させていただきます。処置方法や経過についてなど、分からない点やご不安な点があればお気軽にお尋ねください。

治療後のケアと注意点

治療の経過を良好にするため、術後のケアは非常に重要です。

以下のような点に気を付けましょう。

レーザー治療

  • 照射後は皮膚が敏感になっているため、ヒリヒリ感や赤みが数時間~数日続くことがあります。痛みや赤みが気になる時は、冷やしたタオルなどをあてて冷却していただくと症状を和らげることができます。
  • ご自宅では、毎日、保湿効果の高い化粧品(エンビロン)によるスキンケアを行っていただきます。
  • レーザーを照射した部分は、一時的に色素沈着を起こすことがありますが、通常、1~2か月程度で消失します。ただし、日焼けをしてしまうと治療を行うことができなくなる場合がありますので、レーザー治療を行っている期間は紫外線予防をしっかり行いましょう。

手術治療

  • 手術当日は帰宅後、治療部位の冷却を行い、安静を保ちましょう。
  • 傷口の状態が落ち着くまで、1週間程度は激しい運動や飲酒などはお控えください。
  • 術後、傷跡の状態を確認するため、可能な場合には治療の翌日に診察にお越しいただきます。(遠方の方はオンライン診療も可能です。)
  • 手術方法によりますが、抜糸は術後7~14日目頃になります。それまではテープによる保護やギプス固定など、必要なケアをしっかり行いましょう。

注入治療

  • 注射部位を揉んだりこすったりしないように気を付けましょう。
  • 注射当日は、激しい運動や飲酒などはお控えください。

治療費について

線状成熟瘢痕は、ご本人にとっては非常に深刻な悩みですが、引きつれや動かしにくいといった機能的な問題ではなく、あくまでも外見上の問題になるため、原則、自費での治療となります。

自費治療の場合、初診料3,300円、再診料1,650円(税込み)をいただいております。 その他、治療に関する費用は、治療内容によって異なります。

フラクショナルレーザー

傷跡の定額レーザー治療

※レーザーの施術は複数回必要となります

代金はすべて税込みになります。

手術治療

瘢痕形成手術

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注入治療

範囲料金
眉間、額、顎各¥33,000
目尻(片側)¥22,000
口角(片側)¥22,000
エラ(片側)¥66,000
ガミースマイル¥33,000
腋(片側)¥55,000
手のひら(片側)¥66,000
足の裏(片側)¥71,500
下腿(片側)¥110,000
Micro botox(片側)¥55,000
瘢痕(5cmまで)¥33,000
種類料金
ジュビダームビスタ ウルトラ 0.8ml¥33,000
ジュビダームビスタ ウルトラXC 0.8ml¥44,000
ジュビダームビスタ ウルトラプラスXC 0.8ml¥44,000
ジュビダームビスタ ボリューマXC 0.8ml¥66,000
ジュビダームビスタ ボリフトXC 0.8ml¥66,000
ジュビダームビスタ ボルベラXC 0.8ml¥66,000

※代金はすべて税込みになります。

現金の他、各種クレジットカード、電子マネー、医療ローン、お振込み、QRコード決済アプリがご利用頂けます。詳細情報は料金表のページをご覧ください

よくある質問

レーザー治療で、傷跡はどの程度きれいになりますか?何回くらい治療が必要ですか?
レーザー治療は、繰り返し行うことで、徐々に皮膚の凸凹を減らし、傷跡をぼかしていくものなので、最低でも5回、患者さんによっては10回以上行う場合もあります。
傷跡の状態は患者さんによってそれぞれ異なりますし、どの程度の修正を希望するかも患者さんによりますので、当院では、診察やカウンセリングで患者さんのお話をじっくりお伺いし、患者さんお一人お一人に合わせた治療内容や回数を提案させていただきます。
傷跡治療による合併症などはありますか?
フラクショナルレーザーのおもな合併症は色素沈着です。最初は赤くなり、その後、だんだん黒くなってきます。時間が経つと徐々に薄くなりますが、レーザーは繰り返し照射する必要があるため、色素沈着も消えにくいのが特徴です。しかし、レーザー治療を止めれば数か月で良くなり、いずれは消えますのでご安心ください。
手術の場合、出血などがあるため、落ち着くまでは痛みや腫れがあります。また、傷口から細菌に感染するリスクがあるため、術後は傷跡の管理とケアがとても重要です。当院では経過が良好になるよう、しっかり術後の管理も行っていきますので、ご安心ください。

院長からひと言

「線状瘢痕」といっても、盛り上がっていたり、凹んでいたり、シワでへこんだりと、色々な病態があります。
当院は開業してから様々な傷跡に対して治療を行ってきました。
レーザーも手術も、そして注入もございます。
残念ながら保険治療は適応外ですが、治療によって人生が変わる方を何人も見てきました。
年齢は関係ありません、治療したいと思った時がやるべきタイミングだと思います。
悩まれている傷跡がある場合は、一度ご相談ください。

記事執筆者

院長村松英之
きずときずあとのクリニック豊洲院院長 村松英之

資格

日本形成外科学会専門医
日本熱傷学会専門医
日本創傷外科学会専門医
皮膚腫瘍外科分野指導医
小児形成外科分野指導医