リストカット跡・根性焼きの傷跡に対する切除術 | きずときずあとのクリニック 豊洲院 | 東京都江東区の形成外科・美容外科

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リストカット跡・根性焼きの傷跡に対する切除術

切除術によるリストカット跡・根性焼きの傷跡治療

リストカット跡・根性焼きの傷跡(2年以上経過して傷跡が白く落ち着いている状態)に対する治療法には、レーザー治療と手術があります。
手術療法には3種類あり、そのうちの一つに「切除術」があります。

切除術とは?

切除術は、リストカット跡・根性焼きの傷跡を切除して、1本線やジグザグ線に変える手術です。
手術では局所麻酔を使用するので、痛みの心配はありません。

手術時間:約30分~1時間
起こりうる合併症:引きつれ・痛み・細菌感染・肥厚性瘢痕(傷跡の盛り上がり)など

また、切除術を行っている医療機関は多いですが、医師や医療機関の技量・能力が仕上がり(傷跡)に大きな影響を与える手術となります。
当院では長年大学病院などで傷跡治療を行ってきた形成外科医が手術を行っています。

切除術の目的

切除術は、リストカットや根性焼きには見えない傷跡に「印象を変えること」を目的としています。
そのため、小範囲のリストカット跡や根性焼きの傷跡におすすめです。

(図)小範囲のリストカット跡・根性焼きの傷跡に対する切除術イメージ

切除術のメリット・デメリット

切除術のポイントは「1回で傷跡の印象を変える」です。
切除術に対するメリット・デメリットには、以下のような点があります。

<メリット>

  • 1回の治療で大きく印象を変えることが可能
    骨折など怪我の傷跡や手術跡のような印象に変えます。

<デメリット>

  • 傷跡が残ることで、ケロイドや肥厚性瘢痕などのトラブルを起こす可能性がある
  • 新しく傷跡ができることによって、細菌感染を起こす、皮膚の下に血が溜まる、傷が開くなどのトラブルを起こす場合があり、傷跡が赤く盛り上がる、痛みが出ることもある
  • 術後の安静が必要
    基本的に切除手術は術後に皮膚が強く引っ張られます。特に手首から肘の部分など関節の部分は術後に開いたり、盛り上がった傷跡になったりしやすい特徴を持ちます。できるだけ目立ちにくい傷跡にするため、術後のギブス固定(約2週間)やテープ固定(約3か月~半年間)が必要となります。
  • 切除範囲に制限がある
    リストカットの傷跡の場合、傷跡を小さくしたから悩みが解決することはほとんどありません。つまり広い範囲の傷跡では結局切除してもリストカット跡が残ったりしては意味がありません。よって、腕の掌側の1/2を超えるような幅の傷跡の切除はあまりお勧めしません。
  • 余計目立つ傷跡になることがある
    切除術の目的はあくまで「リストカット・根性焼きには見えない傷跡に印象を変えること」なので、人により傷跡は目立つものとなる場合があります。

切除術が向いている方

  • 根性焼きの傷跡(タバコによるやけど痕)がある方
    ※根性焼きには切除術が一番のオススメ
  • 小範囲のリストカット跡がある方
  • 術後、しばらく患部を包帯などで隠しても良い方

切除術の治療手順

01 【初回診察日】診察・治療説明・同意書の記入

傷跡の診察と治療のご説明を行います。ご同意いただける場合、同意書にサインをいただきます。
※当院では初回診察当日に手術を行っておりません。初回受診時に手術日のご予約をお願いします。その際、手術のための採血検査を行います。

02 【手術日】診察・麻酔

切除部位に局所麻酔をします。

03 切除

麻酔が効いたら、リストカット跡・根性焼きの傷跡部分を直線またはジグザグ線で切除します。

04 縫合

傷口を縫い合わせます。その後、ガーゼ保護やギブス固定・テープ固定を行います。

05 抜糸

通常、手術から約7日~10日後に行います。

切除術後の注意点

傷跡は切り取ったら、後は綺麗になるだけということではありません。特に伸びたり縮んだりする部位にある傷跡は高確率で「ひきつれ」などのトラブルを起こす傾向にあります。
そのため、術後は以下の点に注意して、過ごしましょう。

  • 術後安静
    腕には手首・肘の2つの関節があります。腕は日常生活において常に動く部位ですので術後トラブルが起きやすく、しっかり固定して安静にすることが大切です。
  • 手術当日は手術部分を濡らさないようにして、翌日~抜糸まではシャワー浴のみ可能
    ※手術部分以外は通常通り洗ってOK
  • 飲酒・運動・サウナなどは1週間くらい控える
    飲酒・運動・サウナなど体が温まったり代謝が上がったりする行為は、切除した部分の赤みを強くしてしまう可能性があります。念のため、施術1週間くらいは控えて安静にした方が良いでしょう。

切除術の費用目安

リストカット跡・根性焼きの傷跡に対する切除術は、病気などによる障害の治療ではなく、整容目的(身なりを整えること)の治療となるので、保険適応が認められておりません*1。
そのため、切除術は「自由診療(自費)」となります。

*1(参考)形成外科と健康保険|日本形成外科学会

当院で行う切除術の費用目安(税込み)は、以下の通りです。
※下記料金表に初診料・再診料および薬剤費用は含まれておりません。

傷跡切除手術

範囲顔面
2.0cm以下¥250,000
4.0cm以下¥400,000
6.0cm以下¥525,000
8.0cm以下¥700,000
8.1cm以上¥875,000
範囲顔面以外
3.0cm以下¥250,000
6.0cm以下¥400,000
9.0cm以下¥525,000
12.0cm以下¥700,000
12.1cm以上¥875,000

よくある質問

切除術には直線とジグザグ線の2種類があるようですが、どちらがおすすめですか?

傷跡は縮んだり伸びたりすることで、ひきつれなどのトラブルを引き起こしやすくなります。
特に腕は手首・肘の2つの関節があり、日常生活において常に動く部位です。
そのため、縦方向のみの傷跡となる直線よりも、横方向の「ジグザグ線」の方が、腕の曲げ伸ばしで発生する力をうまく分散することができ、トラブル回避に繋がります。

できるだけ目立たない傷跡にして欲しいのですが・・・。

当院の切除術では、目立たない傷跡にするために以下のようなことをポイントにして治療を行っています。

  • ジグザグ線での切除
    縦に1本の直線切除よりも横方向のジグザグ切除傷跡にすることで、術後トラブルのリスクを軽減させます。
  • 術後安静
    できるだけ動かさないよう固定することで、傷跡を落ち着かせます。
  • 傷跡になりにくい縫い方
    当院の医師は形成外科医として、長い間大学病院などでたくさんの患者さんの傷跡治療を経験し研鑽を積んでまいりました。縫う時の力加減や深さなどを考慮しながら、できるだけ傷跡になりにくい縫い方を行います。
  • 広範囲のリストカット跡には行わない
    切除術は、小範囲のリストカット跡・根性焼きに適性のある治療法です。 広範囲のリストカット跡では、リストカット跡は小さくなっても切除跡が残ったり、リストカット跡も一部残ったりすることがあります。広範囲のリストカット跡には、当院の「戻し植皮®術」がおすすめです。
切除術の手術当日に車で来ても大丈夫ですか?

包帯・ガーゼなどで腕を動かしにくくなる場合があります。 お帰りはどなたかに運転していただくか、電車やタクシーなどの公共交通機関を使われることをおすすめします。

院長からひと言

切除手術はさまざまな施設で行われている治療法です。
特に小範囲のリストカットや根性焼きに対する治療効果は高いです。
ただし、一般的に一番行われている治療法であるため、他院で切除手術を受けて術後に悩みがさらに深くなってしまった方もたくさん診てきました。
大事なのは「手術をすること」ではなく「手術後の傷跡を綺麗にして、日常生活での悩みを解決すること」です。
みなさんのお悩みが解決できれば嬉しいです。

記事執筆者

院長村松英之
きずときずあとのクリニック豊洲院院長 村松英之

資格

日本形成外科学会専門医
日本熱傷学会専門医
日本創傷外科学会専門医
皮膚腫瘍外科分野指導医
小児形成外科分野指導医