自家培養表皮移植術ーリストカットの傷跡を、“目立たなくする”新しい選択肢 | きずときずあとのクリニック 豊洲院 | 東京都江東区の形成外科・美容外科

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自家培養表皮移植術ーリストカットの傷跡を、“目立たなくする”新しい選択肢

治療に対する思い

リストカットの傷跡に悩む方へ。
それはあなたが生き抜いてきた証でもあり、同時に“人に見せたくない過去”かもしれません。

私たちは、ただ皮膚を治すのではなく、その人の人生を前に進めるお手伝いがしたいと考えています。
この治療が、あなたがこれからを生きる勇気になれたら——
そう願いながら、私たちは一人ひとりの患者さんと向き合っています。

培養表皮とは?

「培養表皮」は、ご自身の皮膚から採取した細胞をもとに、新しい皮膚を培養して作成する再生医療です。
採取した皮膚は2cm²。脇やそけい部(太ももの付け根)から採り、専用施設で約3週間培養します。
出来上がった薄くて柔らかい皮膚シートを、傷跡に移植することで、目立ちにくく自然な質感を目指します。

もともとは熱傷(やけど)の高度治療に使用されてきた技術で、現在ではリストカットなどの瘢痕にも応用されています。

https://www.youtube.com/watch?v=uuEL7Xw5LR8
https://www.youtube.com/watch?v=VD1NVQYjwp8

開発の歴史

培養表皮の技術は、1975年にアメリカの皮膚科学者Howard Green博士によって初めて開発されました。彼は、患者自身の皮膚細胞を採取し、それを培養することで新しい皮膚を再生させる方法を確立しました。この技術の開発は、皮膚移植が必要な患者に新たな希望をもたらしました。

その後、1983年には、アメリカで重症やけどを負った2人の幼児に対して、わずかな皮膚細胞を使用して培養した皮膚を移植する実験が行われ、成功を収めました。この成功がきっかけとなり、培養表皮は次第に注目を集めることになり、現在ではやけど治療のみならず、自傷行為による傷跡や、ケロイド・肥厚性瘢痕にも適用されています。

日本においては、**J-TEC(ジェイテック)**が培養表皮の商業化を進め、2007年には日本初の再生医療等製品として、重症熱傷患者への治療に使用されることが承認されました。当院の院長である村松も当時在籍していた前橋赤十字病院で、培養表皮を使用して多くの熱傷患者の救命に当たりました

村松英之, 林稔, & 浜島昭人. (2013). 経験 自家培養表皮移植を用いた広範囲熱傷例の検討. 形成外科, 56(8), 857-865.

Hayashi, M., Muramatsu, H., Nakano, M., Ito, H., Inoie, M., Tomizuka, Y., … & Yoshimoto, S. (2014). Experience of using cultured epithelial autografts for the extensive burn wounds in eight patients. Annals of Plastic Surgery, 73(1), 25-29.

村松英之, 林稔, & 冨塚陽介. (2015). 人工真皮と自家培養表皮を用いた広範囲熱傷の治療: 待期的植皮への変化. 形成外科, 58(12), 1351-1358.

Hayashi, M., Muramatsu, H., Nakano, M., Yamamoto, N., Tokunaka, R., Umezawa, K., … & Yoshimoto, S. (2016). Changes in the dermal structure during cultured epidermal autograft engraftment process. Plastic and Reconstructive Surgery Global Open, 4(9).

ハイブリッド植皮とは?

当院では、培養表皮を単独で移植するのではなく、
ご自身の傷跡の皮膚を一度除去し、それを“メッシュ状”に加工して戻し、その上に培養表皮を重ねて移植する
という独自の方法を採用しています。これを私たちは「ハイブリッド植皮」と呼んでいます。

この技術は、重症熱傷の治療から発展したもので、
形成外科的に応用することで、自然な色味と質感、なじみやすさを追求しています。

培養表皮移植術が適している方

  • リストカットの傷跡をできるだけ目立たなくしたい
  • 他院では「治療が難しい」と言われた
  • 傷跡が広範囲・多数本ある
  • 精神的に落ち着いており、前向きに治療に取り組みたい
  • 費用がかかってもいいので、納得のいく結果を得たい

向いていないケース

  • 最後のリストカットから2年以内の方
  • 現在も精神的に不安定な方
  • 手術後のケア(通院やガーゼ管理など)が難しい方

メリットとデメリット

メリット

  • ご自身の細胞を使用するため、適合性が高く安全
  • 表皮が非常に薄く、質感・色味が自然に近い
  • 広範囲の治療も可能(少量の皮膚から複数シート作成可)
  • ハイブリッド法により、元の皮膚の色を活かしやすい

デメリット・注意点

  • 約3週間の培養期間が必要
  • 自由診療のため費用が高額(最低165万円~)
  • 傷跡を完全に消すことはできず、効果には個人差あり
  • 赤み・色素沈着・感染・治癒遅延などの合併症リスクあり

手術の流れ(簡略)

01 初診・カウンセリング

適応の確認、治療内容・費用・スケジュールなどの説明

02 皮膚採取(1回目)

局所麻酔で脇またはそけい部から表皮を採取(10〜20分)

03 細胞培養(約3週間)

専用施設で培養し、皮膚シートを作成

04 移植手術(2回目)

傷跡の皮膚をメッシュ状に加工して戻し、その上に培養表皮を移植

05 術後の経過観察とケア

1週間後にガーゼ交換、以降は定期通院と自宅ケア指導

ダウンタイムと術後ケア

  • 皮膚採取、移植手術共に日帰り手術です
  • 術後1週間はギブス固定とガーゼ保護が必要(濡らさないよう注意
  • 術後は数ヶ月ごとに経過をフォローします
  • 赤みや色素沈着は一時的に見られることがあります
  • 紫外線対策は6ヶ月以上しっかりと行ってください
  • ストレッチや保湿など、術後のセルフケアも大切です
  • 傷跡が気にならなくなり、腕を出せるようになったら治療完了です

患者様の声(症例紹介)

【症例1】

  • 年齢・性別:52歳・女性
  • 症例の概要:浅い自傷瘢痕
  • 治療前:傷跡が目立ち、外出時に腕を見せることができない

【症例2】

  • 年齢・性別: 35歳・女性
  • 症例の概要:深い自傷瘢痕、傷跡が目立ち、外出時に腕を見せることができない
  • 治療前:傷跡が目立ち、外出時に腕を見せることができない

【症例3】

  • 年齢・性別:28歳・女性
  • 症例の概要:深い自傷瘢痕、傷跡が目立ち、外出時に腕を見せることができない
  • 治療前:傷跡が目立ち腕を見せることができない

まずはお気軽にご相談ください

※リストカット治療のご相談は上記のみからの受付となります

  • 入力は1分で完了
  • 最短翌日から予約可能
  • 学生の方は学割あり(要学生証)

培養表皮の料金(税込・自由診療)

培養表皮は、傷跡の面積に応じた明確な料金設定を行っております。
診察時に範囲を正確に測定し、事前にお見積もりをご提示いたします。

料金表

傷の範囲(面積)料金(税込)
〜50㎠(例:7cm × 7cm程度、2箇所まで、培養表皮1枚)¥1,650,000
〜100㎠(例:10cm × 10cm程度、3箇所まで、培養表皮2枚)¥2,250,000
100㎠を超える場合ご相談ください(診察時にご案内いたします)
2回目以降の移植(皮膚採取より半年以内)4割引となります
  • ※術後1年間の再診料、処置代、材料費が含まれます(エンビロン代金や一部ケア用品は除く)
  • 初診カウンセリング料:¥3,300(税込)

部位ごとの料金計算について

左右の腕、大腿など複数部位にまたがる場合は、それぞれ個別に面積を計算し、別々の料金となります。

例:

  • 1回目、右腕:50㎠ → ¥1650,000
  • 2回目、左腕:50㎠ → ¥990,000
    ➡ 合計:¥2,640,000(2回に分けて実施)

それぞれ別日での手術となるため、術後のケアや通院スケジュールも個別にご案内いたします。

お支払い方法

  • 現金・振込・クレジットカード・医療ローン(最長36回分割)に対応

医療ローンの事前審査もカウンセリング時にご案内可能です

よくあるご質問

誰でも受けられますか?

最後の自傷行為から2年以上経過している方が対象です。

完全に傷跡が消えるのですか?

完全に“消える”わけではありませんが、かなり目立たなくなる方が多いです。

他の治療との違いは?

当院では培養表皮+メッシュ皮膚を併用することで、より自然な仕上がりを追求しています。

痛みはありますか?

採取・移植ともに局所麻酔で行うため、術中の痛みはほとんどありません。

治療費はどのくらいですか?

傷の範囲によって異なりますが、**最低165万円から**となります(自由診療)。

色はなじみますか?

メッシュ皮膚を併用することで、周囲の肌との色味の差が少なくなりやすいです。

年齢制限はありますか?

特に制限はありませんが、20~40代の方の受診が多いです。

学校や仕事を休む必要はありますか?

術後1〜2日は安静をおすすめしますが、大きな制限はありません。

カウンセリングだけでも可能ですか?

もちろん可能です。治療を受けるかどうかは相談後にご判断ください。

精神科との併用治療はできますか?

はい。主治医の許可があれば、医師同士で連携しながら治療可能です。

手術の保証制度はありますか?

はい、手術後1年間の保証制度があります。
ただし、同部位の修正は半年以上の間隔が必要です
また、凹凸が気になる場合は、フラクショナルレーザー治療を3割引でご提供します

体験談

医療広告ガイドラインにより、体験談をホームページに載せることはできかねますが、ご希望の方は多くの体験談をお見せすることができますので、ご希望の方は「体験談希望」とお電話か予約フォームでお問い合わせください

医師からのメッセージ

リストカットの傷跡は、過去のあなたの“証”かもしれません。
それでも、「もう隠さなくていい」と思える日が来るように。

私たちは、医学的な技術だけでなく、心に寄り添う治療を目指しています。
もし、あなたが新しい一歩を踏み出したいと感じているなら、
その背中を、私たちがしっかり支えます。