患者様の症例について詳しくカウンセリングし、治療法を決定します。
(現在月3名限定でモニターを募集しております)
リストカットや自傷行為による傷跡は、しばしば目立ち、外見に対する悩みが増します。これらの傷跡は隠すことが困難で、社会生活に支障をきたすこともあります。特に、周囲の目を気にして腕を出せない、子供に対して説明できないといった悩みが多く寄せられています。
傷跡が残ることへの恐怖感や、自傷行為による過去を消し去りたいという思いが強く影響していることもあります。このような患者様の悩みを解消するため、当院では主に戻し植皮®を行ってきましたが、最先端の治療法である培養表皮治療も提供しています。
培養表皮とは、患者様自身の皮膚細胞を取り出して培養した、新しい皮膚です。この治療は、傷跡ややけどなどの瘢痕に対して非常に有効なアプローチとなります。
培養表皮の技術は、1975年にアメリカの皮膚科学者Howard Green博士によって初めて開発されました。彼は、患者自身の皮膚細胞を採取し、それを培養することで新しい皮膚を再生させる方法を確立しました。この技術の開発は、皮膚移植が必要な患者に新たな希望をもたらしました。
その後、1983年には、アメリカで重症やけどを負った2人の幼児に対して、わずかな皮膚細胞を使用して培養した皮膚を移植する実験が行われ、成功を収めました。この成功がきっかけとなり、培養表皮は次第に注目を集めることになり、現在ではやけど治療のみならず、自傷行為による傷跡や、ケロイド・肥厚性瘢痕にも適用されています。
日本においては、**J-TEC(ジェイテック)**が培養表皮の商業化を進め、2007年には日本初の再生医療等製品として、重症熱傷患者への治療に使用されることが承認されました。当院の院長である村松も当時在籍していた前橋赤十字病院で、培養表皮を使用して多くの熱傷患者の救命に当たりました
- 村松英之, 林稔, & 浜島昭人. (2013). 経験 自家培養表皮移植を用いた広範囲熱傷例の検討. 形成外科, 56(8), 857-865.
- Hayashi, M., Muramatsu, H., Nakano, M., Ito, H., Inoie, M., Tomizuka, Y., … & Yoshimoto, S. (2014). Experience of using cultured epithelial autografts for the extensive burn wounds in eight patients. Annals of Plastic Surgery, 73(1), 25-29.
- 村松英之, 林稔, & 冨塚陽介. (2015). 人工真皮と自家培養表皮を用いた広範囲熱傷の治療: 待期的植皮への変化. 形成外科, 58(12), 1351-1358.
- Hayashi, M., Muramatsu, H., Nakano, M., Yamamoto, N., Tokunaka, R., Umezawa, K., … & Yoshimoto, S. (2016). Changes in the dermal structure during cultured epidermal autograft engraftment process. Plastic and Reconstructive Surgery Global Open, 4(9).
患者様の症例について詳しくカウンセリングし、治療法を決定します。
培養表皮治療の詳細な計画を立てます。傷の状態を評価し、最適な治療方法を選択します。
局所麻酔を使用して、皮膚細胞を採取し、それを培養します。その後、培養された皮膚を移植します。
移植後、2週間〜1ヶ月間の経過観察を行います。改善具合に応じて、追加の治療を行うこともあります。
移植手術自体は数時間で終了しますが、その後の培養や経過観察に時間がかかります。全体的な治療期間は、半年から1年程度を見込んでいます。
局所麻酔を使用するため、手術中の痛みはほとんどありません。術後は軽い痛みや違和感が生じることがありますが、痛み止めで対応可能です。
培養表皮治療に関するご相談や予約は、お電話またはオンラインで受付けています。お気軽にご連絡ください。
このページは、患者様に治療法の歴史や特徴、流れをしっかりと伝える内容になっています。また、患者様が抱える不安を解消し、治療への信頼を深められるように設計しています。