成熟瘢痕 | きずときずあとのクリニック 豊洲院 | 東京都江東区の形成外科・美容外科

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成熟瘢痕

成熟瘢痕とは

傷が治ってから長い時間が経過して、白くなった傷跡を「成熟瘢痕(せいじゅくはんこん)」と言います。成熟瘢痕には、痛みや痒みといった自覚症はほとんどなく、将来的に見た目が大きく変化することもないため、そのままの状態にしていても特に問題はありません。

しかし、やけどや外傷、ニキビなどが原因でできた面状の成熟瘢痕は、まわりの正常な皮膚とは質感が大きく異なり、皮膚の表面にデコボコや段差が残ってしまうことから、患者さんにとっては深刻な悩みとなってしまう場合があります。

成熟瘢痕
(参考)成熟瘢痕

成熟瘢痕の治療目的

成熟瘢痕は、皮膚表面の表皮だけでなく、その下にある真皮の組織もダメージを受けているため、傷跡を完全に消すことはできませんが、形成外科的な治療により、傷跡の状態を変化させて目立ちにくくすることは可能です。
当院では、成熟瘢痕のデコボコや段差などを改善することで、患者さんのお悩みを軽減し、毎日の生活をより良くするお手伝いをさせていただきたいと考えております。

成熟瘢痕の原因は患者さんによって異なり、傷跡の状態や部位、範囲もそれぞれ違うため、当院では、患者さんのお悩みやご希望を十分お伺いした上で、患者さんお一人お一人の傷跡の状態に最適な治療法をご提案させていただいております。

成熟瘢痕のおもな治療法

成熟瘢痕の治療には、「レーザー」「手術」「注入」の三種類があり、傷跡の状態に合わせて適切な治療を選択します。※原則、自費での治療となります。

レーザー治療(フラクショナルレーザー)


傷跡にレーザーを照射し、薄く目立ちにくい状態にする治療です。患者さんの体の負担や
日常生活への影響が少ないのが大きなメリットです。

レーザーには、いくつかのタイプがありますが、デコボコした面状の傷跡には「フラクショナルレーザー」を使用します。フラクショナルレーザーは、皮膚の表面に無数の穴を開けて皮膚の再生を促すレーザーで、穴が治癒する際に皮膚が収縮することで凸凹をなだらかにしたり、傷跡をぼかしたりする効果が期待できます。
※最近はダーマペンの効果も報告されており、症例によって使い分けることがあります。

ただし、レーザー治療は、一度の照射で大きな効果が出るものではなく、繰り返し照射することで、徐々に皮膚が入れ替わり、傷跡を目立ちにくくするため、2か月に1度の間隔で、最低でも5回以上の治療が必要になります。

手術治療

外科手術により、傷跡の状態を変化させ、目立ちにくい状態にする治療で、一度で大きな変化が期待できるのがメリットです。手術により新しい傷ができますが、将来的にできるだけ傷跡が目立たず、きれいに仕上がるよう、縫合方法などを工夫します。

手術では、傷跡部分の皮膚を切除し、周囲の皮膚を目立たないようにきれいに縫い寄せます。
直線的に縫合する場合もありますが、顔などの目立ちやすい部位には、縫合箇所を目立たなくし、引きつれを予防するため、ジグザグに縫合する「W形成術」や「Z形成術」を行うこともあります。
手術は局所麻酔で行い、所要時間は30分~1時間程度が目安となります。傷跡の部位や大きさによっては、術後2週間の安静、またはギプス固定が必要になることもあります。

注入治療

注射で、直接薬剤を注入し、傷跡のデコボコを目立ちにくくする治療です。

また、ニキビ跡のような凹みが気になる場合には、ヒアルロン酸やボトックス注射を行うことで段差を軽減し、目立ちにくくすることも可能です。

成熟瘢痕の治療の流れ

成熟瘢痕の治療(レーザー治療、手術、注入)は以下のような流れで行います。

01 カウンセリング・診察

初診時には、受付時にご記入いただいた問診表をもとに、カウンセリングと診察を行います。
患者さんのお悩みをじっくり伺い、傷跡の状態や自覚症状の有無、どの程度の改善を望まれるかなどの確認をさせていただいた上で、最適な治療をご提案いたします。
治療にかかる期間や費用なども診察時に丁寧にご説明いたしますので、ご不明な点や質問などがありましたらお気軽にご相談ください。
内容にご納得いただき、治療を希望される場合は、同意書をご記入いただき、治療の日程を決定いたします。

02 治療前準備・麻酔

治療当日は、洗顔・クレンジングなどの準備を行った後、麻酔を行います。麻酔には、注射だけでなく、塗るタイプや貼るタイプ、吸入麻酔などもございます。治療時の痛みが心配という方は、事前にご相談ください。

03 治療

麻酔の効果を確認後、レーザー治療、手術治療、注入を行います。 瘢痕の部位や大きさ、状態によって治療の内容や所要時間は異なりますが、フラクショナルレーザーは一回5~15分程度、手術は15分~3時間半程度、注入は5~10分程度が目安となります。

04 アフターケア

治療後は、痛みや腫れを抑えるためのクーリングや、外用薬の塗布、ガーゼやハイドロコロイド製剤による保護、ギプス固定など、必要な処置を行います。
その後、術後の経過が良好になるよう、ご自宅でのケアの方法や注意点などをご説明させていただきます。処置方法や経過についてなど、分からない点やご不安な点があればお気軽にお尋ねください。

治療後のケアと注意点

治療の経過を良好にするため、術後のケアは非常に重要です。
以下のような点に気を付けましょう。

レーザー治療

  • 照射後は皮膚が敏感になっているため、ヒリヒリ感や赤みが数時間~数日続くことがあります。痛みや赤みが気になる時は、冷やしたタオルなどをあてて冷却していただくと症状を和らげることができます。
  • ご自宅では、毎日、保湿効果の高い化粧品(エンビロン)によるスキンケアを行っていただきます。
  • レーザーを照射した部分は、一時的に色素沈着を起こすことがありますが、将来的には消失します。ただし、日焼けをしてしまうと治療を行うことができなくなる場合がありますので、レーザー治療を行っている期間は紫外線予防をしっかり行いましょう。

手術治療

  • 手術当日は帰宅後、治療部位の冷却を行い、安静を保ちましょう。
  • 傷口の状態が落ち着くまで、1週間程度は激しい運動や飲酒などはお控えください。
  • 術後、傷跡の状態を確認するため、可能な場合には治療の翌日に診察にお越しいただきます。(オンライン診療も可)
  • 手術方法によりますが、抜糸は術後7~14日目頃になります。それまではテープによる保護やギプス固定など、必要なケアをしっかり行いましょう。

治療費について

成熟瘢痕は、ご本人にとっては非常に深刻な悩みですが、引きつれや動かしにくいといった機能的な問題はなく、あくまでも外見上の問題になるため、原則、自費での治療となります。

自費治療の場合、初診料3,300円、再診料1,650円(税込み)をいただいております。
その他、治療に関する費用は、治療内容によって異なります。

① フラクショナルレーザー

傷跡の定額レーザー治療

※レーザーの施術は複数回必要となります

② 手術治療

瘢痕形成手術

③ 注入

ボトックス注射

範囲料金
眉間、額、顎各¥33,000
目尻(片側)¥22,000
口角(片側)¥22,000
エラ(片側)¥66,000
ガミースマイル¥33,000
腋(片側)¥55,000
手のひら(片側)¥66,000
足の裏(片側)¥71,500
下腿(片側)¥110,000
Micro botox(片側)¥55,000
瘢痕(5cmまで)¥33,000

ヒアルロン酸注射

種類料金
ジュビダームビスタ ウルトラ 0.8ml¥33,000
ジュビダームビスタ ウルトラXC 0.8ml¥44,000
ジュビダームビスタ ウルトラプラスXC 0.8ml¥44,000
ジュビダームビスタ ボリューマXC 0.8ml¥66,000
ジュビダームビスタ ボリフトXC 0.8ml¥66,000
ジュビダームビスタ ボルベラXC 0.8ml¥66,000

ケナコルト注射

範囲 / 量料金
1か所 or 1ml¥5,500

よくある質問

家が遠いので、治療の後、頻繁に通院するのが難しいのですが?

当院の傷跡の治療には、遠方からもたくさんの患者さんに来ていただいております。 ご自宅が遠い場合、頻繁に通院していただくのは難しくなるため、当院では、治療後、オンラインでの診療も行っています。診察の時に医師やスタッフまでご相談ください。

レーザーで治療中の傷跡を隠したいのですが……。

レーザー治療は、一回ですぐにきれいになるわけではなく、治療に1~2年かかるということも少なくありません。そのため、当院では、治療中の傷跡を隠したいという患者さんには「メディカルメイク」をおすすめしております。
メディカルメイクは、傷跡や皮膚の変色などに行う特殊なメイク法で、気になる部分をメイクで修復し、目立たなくするものです。メイク方法を習得していただくと、傷跡をご自身でいつでも隠せるようになることから、患者さんにとって大きな自信となり、QOL(生活の質)も高まります。

※メディカルメイクについては以下のブログにも詳しい情報があります。
メディカルメイク 傷跡を隠すメイク
※ただし、メディカルメイク外来は当院では現在行っておらず、ご紹介させていただいております。

傷跡の治療を行いましたが、部分的に凸凹や段差が残っていて気になります……。

当院では、患者さんにご安心して治療を受けていただくため、治療後の経過観察やアフターケアにも力を入れております。レーザーや手術を受けても、まだ傷跡の状態が気になり、さらに傷跡をきれいにしたいと希望される場合には、追加で手術やレーザー治療などを行うこともあります。また、皮膚の部位や状態によっては、ボトックスやヒアルロン酸の注入なども可能ですので、術後、経過が気になる時はお気軽にご相談ください。

院長からひと言

古い成熟瘢痕の治療については、日本ではなかなか治療できる施設がないのが現実です。保険治療ではないため、病院ではできず、美容外科のクリニックでは治療対象外となることが多いです。当院では同じように悩んでいる患者さんが年間1,500人以上来られています。診察だけであれば保険治療も可能です。ぜひ一度ご相談にお越しください。

記事執筆者

院長村松英之
きずときずあとのクリニック豊洲院院長 村松英之

資格

日本形成外科学会専門医
日本熱傷学会専門医
日本創傷外科学会専門医
皮膚腫瘍外科分野指導医
小児形成外科分野指導医