海外でのボランティアミッション⑦ | きずときずあとのクリニック 豊洲院 | 東京都江東区の形成外科・美容外科

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海外でのボランティアミッション⑦

2020.03.25

前回からの続きです

海外でのボランティアミッション⑥

さて翌日からの手術について書きます

手術は基本的に森岡先生と自分が二人で執刀します

麻酔科や、看護師は現地の病院のスタッフです

だいたい5件か6件の形成外科手術が予定されます

それを4日間ですので、おおよそ20〜25件くらいの手術を行うことになります

手術予定表です

全身麻酔での手術が基本ですが、局所麻酔での手術も少しあります

現地の麻酔科医師や看護師さんと協力して行うことが必要です

森岡先生にいつも言われていたのは、

「海外ボランティアで大事なことは、現地の人との協力だ」

つまり、こちらのやり方はあるが、それを主張していると結局協力してもらえず良い手術はできない

相手の主張を聞いて、きちんと相手を立ててあげることで協力してもらえるようになり、

こちらも良い手術ができるようになる

ということでした

たとえば我々形成外科医師は、手術の質を追求するとどうしても縫合などが丁寧になり時間がかかってきてしまいます

しかし海外ボランティアに行く場所の医療者にとって大事なことは「スピード」です

やはり全身麻酔のレベルが安定しない中で、手術時間が長くなれば危険性も高くなります

スピードのある外科医こそレベルの高い医師だと認識されます

スピードのある医師は、麻酔科などにとっても安心できる信頼できる外科医としてみられます

そうすれば徐々に信頼感ができて現場での治療もスムーズになってきます

そこが日本で我々が手術をすることとの大きな違いだと思います

日本ではできるだけ質を追求することが大事ですし、そのためにはある程度の手術時間がかかることも大切です

ただ海外では、質と時間のバランスが非常に重要で、現地の医療スタッフの考えを理解した上でバランスの取れた安全な手術を行うことが大事です

手術の内容ですが、一番多いのがやけどによる瘢痕拘縮、そして耳の先天奇形、口唇口蓋裂、多指症、皮膚腫瘍などです

こういう生まれつきの母斑の治療もなかなか大変です・・

やはり戦争などが起こっているところですので、火傷が非常に多いですよね

傷跡について驚いたことがあります

傷跡は結婚において大きな影響を与えます

これは当然だと思いますが、パレスチナは日本とは悩みの性質が少し異なります

こちらの方は基本的に婚前交渉がなくお見合いも多いのですね、

その中で、体に傷跡があるというのは結婚において非常に大きなハンデとなってしまうそうです

それは小さな傷跡でもそうです

結婚する前に、体に傷跡があるということで自分自身の価値が大きく下がってしまうということです

宗教上普段は全身をベールでかくして生活するので、傷跡を見せることは普通はないのですが、色々と宗教文化で悩みも違いますね

日本だと、日常生活で傷跡に悩む方がほとんどです

パレスチナでは結婚の時の大きなハンデとなることに悩んでいます

傷跡の悩みは本当に深いですね

そして国や文化でも大きく違うことは、このような海外ボランティアで知ることができました

さて4日間の手術が無事に終わりました

終わった後のことはまた次回でお話ししますね

ではまた

記事執筆者

院長村松英之
きずときずあとのクリニック豊洲院院長 村松英之

資格

日本形成外科学会専門医
日本熱傷学会専門医
日本創傷外科学会専門医
皮膚腫瘍外科分野指導医
小児形成外科分野指導医