経過観察 症例集 – きずときずあとのクリニック 豊洲院

きずときずあとのクリニック

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経過観察 症例集

当院で治療中の経過写真を公開

症例写真一覧

治療前 1年3ヶ月後 現在治療中

リストカット瘢痕

リストカット跡部位:腕・腋受傷時期:3年以上前状態:白い
妊娠を希望する30代女性のリストカット痕に対し戻し植皮術を実施。術後半年で腕を出せるようになり、心理的負担も大きく軽減した症例。
本症例は30代女性の方です。20代前半にカッターやカミソリによる自傷行為を行い、その後長期間にわたりリストカット痕に悩まれていました。傷跡自体の見た目に加え、結婚を機に妊娠を希望されるようになり、「将来子どもに対してこの傷跡をどのように説明すればよいのか」という点が大きな心理的負担となり、当院を受診されました。
また、患者さんは傷跡を見るたびに当時のつらい記憶がよみがえることにも強く悩まれており、単なる整容面の改善だけでなく、精神的な区切りをつけたいという思いを抱えていました。診察では、前腕に線状のリストカット痕が認められ、成熟瘢痕の状態でした。レーザー治療による改善も選択肢として検討しましたが、患者さんの希望を踏まえ、より印象を大きく変える治療として戻し植皮術を選択しました。
戻し植皮術では、目立つ傷跡を含む皮膚を切除し、皮膚を縦方向に90度回転させて戻すことで、線状瘢痕の向きを変更しました。これにより、リストカット痕としての特徴を弱め、他人の視線を引きにくい傷跡へと再構成することを目的としています。術後は問題なく生着し、経過は非常に順調でした。
術後約半年が経過した頃から、患者さんは「他人に腕を見られても以前ほど気にならなくなった」と感じるようになりました。当初は化粧などを用いて傷跡をカバーしながら、少しずつ腕を露出する機会を増やしていきましたが、実際には周囲から指摘されることはほとんどなく、「他人の興味を引かない傷跡」であることを実感されました。その経験を重ねることで、徐々に半袖で過ごすことにも抵抗がなくなっていきました。
最終的には、見た目・心理面ともに悩みが大きく軽減し、約1年後、引っ越しを機に治療は終了となりました。本症例は、リストカット痕に対する戻し植皮術が、外見だけでなく患者さんの人生の次の段階を後押しする治療となり得ることを示す一例です。
治療前 1年2ヶ月後 現在治療中

リストカット瘢痕

リストカット跡部位:腕・腋受傷時期:3年以上前状態:白い
10代の時のリストカット痕に対し、前腕後面へ戻し植皮術を実施。術後1年で傷跡は落ち着き、腕を出せるようになるなど生活の質が大きく改善した症例。
初診時の診察では、複数部位に線状のリストカット痕が存在していましたが、特に前腕の傷跡が目立ち、患者さんご自身も最も気にされている部位でした。傷跡の性状としては成熟瘢痕であり、長期間経過していることから、レーザー治療による大きな改善は期待しにくいと判断しました。
患者さんは、見た目の印象を大きく変える治療を希望されており、十分な説明と相談のうえで、前腕のリストカット痕に対して戻し植皮術を選択しました。戻し植皮術では、線状で視認性の高い傷跡を含む皮膚を切除し、皮膚の向きを変えて戻すことで、傷跡の印象を変えることを目的としています。本症例では、範囲を前腕に限定し、周囲皮膚とのなじみを重視した手術を行いました。
術後経過は順調で、明らかな合併症は認めませんでした。時間の経過とともに傷跡は落ち着き、質感や色調も周囲皮膚になじんでいきました。術後約1年の時点では、患者さん自身が「腕を出すことに抵抗がなくなった」と感じるまでに改善し、長年抱えていた悩みは大きく軽減しました。
本症例は、複数部位にリストカット痕を有する患者さんにおいても、悩みの中心となる部位を選択して戻し植皮術を行うことで、生活の質の改善につながることを示す一例です。
治療前 1年後 現在治療中

リストカット瘢痕

リストカット跡部位:腕・腋受傷時期:3年以上前状態:白い
他院での切除術後も悩みが残ったリストカット痕に対し、当院で戻し植皮術を実施。生着良好で、術後1年で傷跡は改善し高い満足が得られた症例。
本症例は30代女性の方です。10代にリストカットを行い、その後20歳時に他院形成外科にて切除術を受けています。切除術は、リストカット痕をできるだけ減らす目的で、広範囲の瘢痕を縦方向に切除し縫合する方法が選択されていました。その結果、一本の線状の傷跡へと形態は変化しましたが、すべてのリストカット痕を完全に切除することはできず、部分的にリストカット痕が残存していました。
見た目としては「典型的なリストカット痕」とは分かりにくい状態ではありましたが、患者さんご本人にとっては悩みが解消されたとは言えず、結果として腕を出すことができない生活が続いていました。傷跡の存在そのものが常に意識され、長年にわたり心理的負担を抱えておられました。
さらに、切除術後の経過として、傷跡の赤みや盛り上がりといったトラブルが繰り返し生じていた点も問題となっていました。切除術は限局した小範囲のリストカット痕に対しては有効な場合もありますが、ある程度の長さや範囲を伴う症例では、かえって人目を引く傷跡となりやすく、術後トラブルも多いと考えられます。本症例もその典型例でした。
当院では、残存するリストカット痕および切除術後の傷跡に対して、戻し植皮術を提案しました。線状で目立ちやすい傷跡を、皮膚の向きを変えて再構成することで、傷跡の印象そのものを変えることを目的としています。戻し植皮術は問題なく生着し、術後経過も良好でした。
術後約1年の時点では、傷跡は落ち着き、質感・色調ともに改善が得られました。患者さんご本人からも高い満足が得られ、長年続いていたリストカット痕に対する悩みは大きく軽減しました。本症例は、切除術後も悩みが残る症例において、戻し植皮術が有効な選択肢となり得ることを示す一例です。
治療前 6ヶ月後 現在治療中

リストカット瘢痕

リストカット跡部位:腕・腋受傷時期:3年以上前状態:白い
左上腕のリストカット痕に対し、フラクショナルレーザー約10回で改善乏しく、戻し植皮術を選択。線状瘢痕を再構成し、見た目が大きく改善した症例。
本症例は20代女性の方です。17歳時に左上腕に自傷行為を行い、その後リストカット痕が残存したため、傷跡治療について当院に相談に来られました。診察時には、盛り上がりを伴う太い線状の傷跡が認められ、成熟瘢痕の状態でした。上腕という部位特性上、衣類によっては露出することもあり、見た目の印象を気にされていました。
初期治療として、当院ではフラクショナルレーザーによる治療を開始しました。目的は、盛り上がりを抑え、瘢痕の質感を改善することでした。定期的に治療を継続し、約10回のレーザー治療を行いましたが、凹凸や線状瘢痕としての視認性は残存し、患者さんご自身も「これ以上の改善は難しいのではないか」と感じるようになりました。
そこで、レーザー治療単独での改善には限界があると判断し、治療選択肢として戻し植皮術を説明しました。戻し植皮術では、目立つ傷跡を含む皮膚をやや大きめに切除し、その皮膚を90度回転させて戻すことで、線状瘢痕の印象を変えることを目的とします。本症例では、太く目立っていたリストカット痕を切除し、一本の縦方向の傷跡として再構成しました。
術後経過は良好で、明らかな合併症は認めませんでした。傷跡は全体としてなだらかになり、境界部も目立ちにくい印象となっています。線状に集中していたリストカット痕が整理されたことで、見た目の印象は大きく改善しました。現在、患者さんは日常生活において特に支障なく過ごされており、治療結果にも満足されています。
本症例は、フラクショナルレーザー治療を十分に行った後でも改善が乏しい太いリストカット痕に対して、戻し植皮術が有効な選択肢となり得ることを示す一例です。
治療前 8ヶ月後 現在治療中

リストカット瘢痕

リストカット跡部位:腕・腋受傷時期:3年以上前状態:白い
太く盛り上がったリストカット痕に対し、レーザー治療の限界を考慮して戻し植皮術を実施。看護師としての生活背景も踏まえ、術後8ヶ月で高い満足が得られた症例です。
本症例は20代女性の方です。10代後半に左手首に自傷行為を行い、その結果、リストカット痕が残存していました。特に1本の太い傷跡が盛り上がりを伴って目立つ状態で、周囲皮膚との質感差も大きく、視認性の高い傷跡となっていました。
これまで複数の医療機関で相談を行い、多くの施設でレーザー治療を提案されていましたが、「本当に良くなるのか分からない」という不安が強く、最終的に当院を受診されました。診察では、瘢痕が太く硬さを伴っており、皮下に明らかな線維性変化を触知しました。このような性状のリストカット痕に対しては、レーザー治療単独では十分な改善が得られにくいと判断しました。
また、患者さんの職業は看護師であり、業務上、手首を露出する場面が避けられないという背景がありました。常に傷跡を隠し続けることによる心理的負担や、今後も長期にわたり気にし続ける可能性を考慮し、「同じ傷跡を薄くする」よりも、「違う印象の傷跡に変える」治療として、戻し植皮術を提案しました。
手術は、皮下に硬結を伴う太いリストカット痕を含む範囲に限定して行い、過度に広範囲とならないよう配慮しました。戻し植皮術により、線状で目立ちやすい瘢痕を面状の傷跡へと再構成し、視線の集中を分散させることを目的としています。
術後経過は良好で、明らかな合併症は認めませんでした。術後約8ヶ月の時点で、傷跡は徐々に落ち着き、患者さんご本人から「本当にこの手術を受けてよかった」との言葉をいただいています。リストカット痕に対する治療では、瘢痕の性状だけでなく、生活背景や職業を含めた総合的な判断が重要であり、本症例はその一例と考えられます。
治療前 10ヶ月後 現在治療中

リストカット瘢痕

リストカット跡部位:腕・腋受傷時期:3年以上前状態:白い
10代の自傷によるリストカット痕に対し、他院でのフラクショナルレーザー10回で改善乏しく、当院にて戻し植皮術を実施。術後経過は良好な症例です。
本症例は20代女性の日本人患者です。10代半ばに自傷行為を行い、前腕に複数のリストカット痕が残存していました。受傷から10年以上が経過しており、瘢痕は成熟瘢痕の状態でした。1年前より他院にてフラクショナルレーザー治療を繰り返し受けており、治療回数は約10回に及んでいましたが、十分な改善が得られないとのことで当院を受診されました。
診察では、前腕に比較的太さのある線状のリストカット痕が数本認められました。瘢痕の範囲は限局しており、全体としては広範囲瘢痕には該当しないものの、線状瘢痕特有の視認性の高さが問題となっていました。これまでのレーザー治療歴や瘢痕の性状を踏まえると、追加のフラクショナルレーザー単独での改善には限界があると判断しました。
そこで当院では、治療選択肢として戻し植皮術を提案しました。本症例では、目立つリストカット痕を含む皮膚を正方形に切除し、その皮膚を90度回転させて元の部位に戻す方法を選択しています。皮膚の採取厚は比較的浅く、約1000分の10インチとし、瘢痕の質感改善と周囲皮膚とのなじみを重視しました。
術後経過は良好で、明らかな合併症は認めていません。時間の経過とともに傷跡は徐々に薄くなっており、質感も改善傾向を示しています。現時点では境界部がやや目立つものの、患者さん自身は化粧などで十分にカバーできていると感じており、日常生活上の支障は大きく軽減しています。
リストカット痕に対する治療では、レーザー治療だけでなく、瘢痕の形態や範囲に応じて戻し植皮術を適切に選択することで、見た目の印象を大きく変えることが可能です。本症例は、治療法選択の重要性を示す一例と考えられます。
治療前 11ヶ月後 現在治療中

リストカット瘢痕

リストカット跡部位:腕・腋受傷時期:3年以上前状態:白い
左前腕に横方向へ多発したリストカット痕に対し、レーザー治療は不適と判断し戻し植皮術を実施。感染を一部認めたが、最終的に傷跡は大きく改善し高い満足が得られた症例。
本症例は50代女性の方です。30代前半に自傷行為を行い、その後長期間にわたり左前腕、肘に近い部位にリストカット痕が残存していました。診察時には、横方向に多数走る線状の傷跡が密集しており、いわゆる多発性のリストカット痕として認められました。瘢痕は成熟しており、色調変化とともに質感の不均一さが目立つ状態でした。
これまで特別な治療歴はなく、初診時にはレーザー治療を含めた施術についての相談も行われました。しかし、本症例のように横方向に多く走るリストカット痕に対しては、レーザー治療単独では十分な改善が得られにくく、完全に目立たなくすることは困難であると判断しました。そこで当院では、瘢痕の範囲や分布を考慮したうえで、戻し植皮術が最も適していると考え、その治療方針を提案しました。
患者さん自身も手術による改善を強く希望され、戻し植皮術を施行しました。手術では、瘢痕を含む皮膚を部分的に組み合わせながら切除し、皮膚を90度回転させて戻す方法を選択しています。線状に集中していたリストカット痕を分散させることで、視認性を低下させることを目的としました。
術後経過としては、途中で一部に皮膚感染を認めましたが、適切な処置により大きな問題なく改善しました。その後は経過良好で、時間の経過とともに傷跡は徐々に薄くなり、横方向に連続していたリストカット痕はほぼ認識できない状態となりました。現在では、見た目上リストカット痕とは分からない印象となり、患者さんご本人も結果に大きな満足を示されています。
本症例は、多発性・横走性のリストカット痕に対して、戻し植皮術が有効な選択肢となり得ることを示す一例と考えられます。
初診 治療2回目 現在治療中

右下顎ケロイド肥厚性瘢痕

怪我や事故などの傷跡部位:顔受傷時期:3年以上前状態:盛り上がり
右頬フェイスラインのケロイドに対し、エクラープラスター、ケナコルト注射、ロングパルスNd:YAGレーザー、ボトックスを併用。初回から改善を認め、1年計画で治療継続中です。
本患者は20代の男性の方です。
右頬のフェイスラインに生じたケロイドがなかなか改善しないことを主訴に当院を受診されました。これまで複数の医療機関で治療を受けており、3年前から手術を行っては再発を繰り返し、その後は光治療を中心とした治療も受けていたと伺っています。
若年男性では、ニキビを契機としてフェイスラインにケロイドが形成されるケースが少なくありません。特に顔面のケロイドは、張力や炎症の影響を受けやすく、手術による治療は再発リスクが高いため慎重な判断が必要となります。当院でも症例を選んで手術を行うことはありますが、十分な適応判断が重要と考えています。
本患者様は、赤みの改善を目的としてルメッカなどの光治療を受けていましたが、ケロイドに対する光治療は色調を一時的に薄くする効果はあっても、病変そのものの進行を抑える治療ではないと考えています。そのため、再発や改善不十分な経過につながっていた可能性があります。
診察時には、フェイスラインに赤みと硬さを伴う活動性のケロイドを認めました。治療方針として、まずは炎症と増殖を抑えることを最優先とし、エクラープラスターの貼付およびケナコルト注射を再導入しました。加えて、赤みと血管成分の改善を目的にロングパルスNd:YAGレーザーを併用し、さらに張力軽減と再発予防の観点からボトックス注射も行っています。
治療初回から、赤みと張り感の改善が認められ、患者様ご本人からも「明らかに変化を感じる」との評価が得られました。今後は、約1年を目安にレーザー治療を継続し、ケロイドの活動性を抑えながら、安定した状態へ導く方針としています。
顔面ケロイドでは、安易な手術や光治療に頼らず、炎症制御を軸とした段階的治療が重要であり、本症例はその有効性を示す一例と考えられます。
初診 治療4回目 現在治療中

熱傷後右頬5か所 未成熟瘢痕

怪我や事故などの傷跡部位:顔受傷時期:6カ月以内状態:赤み
エステでのフォトフェイシャル後に生じたやけどによる色素沈着の症例です。スキンケア・内服・遮光に加え、ロングパルスNd:YAGレーザーとIPLを併用し、約半年で改善しました。
本患者はエステでフォトフェイシャルを受けた後、やけどを生じ、その後に残った傷跡について相談のため来院された方です。
施術後は明らかな熱傷反応を認めましたが、エステ側では十分な治療や補償が行われず、「皮膚科を受診するように」との案内のみで経過観察となっていました。
フォトフェイシャルは比較的出力が弱いと認識されがちですが、実際には熱エネルギーを用いる医療機器相当の治療であり、条件や皮膚状態によってはやけどを生じるリスクがあります。本症例は、医師の管理下で行われない光治療の危険性を示す一例と考えられます。
当院初診時は、受傷から約2か月が経過しており、炎症後の反応として明らかな色素沈着を伴う傷跡が形成されていました。まずはレーザー治療に先立ち、皮膚バリア機能の回復と炎症の沈静化を最優先と判断しました。
初期治療として、エンビロンを用いたスキンケア指導に加え、ビタミンC・トラネキサム酸などの内服によるインナーケアを開始しました。また、飲む日焼け止めの併用と徹底した遮光を行い、色素沈着の進行を抑制しています。
皮膚状態が安定した段階で、ロングパルスNd:YAGレーザーによる赤み・炎症の改善に加え、色素沈着が強かったためIPL治療を併用しました。これらを並行して行うことで、色調改善を段階的に進めています。
結果として、4~5回のレーザー治療を経て色素沈着は大きく改善し、スキンケア・内服・遮光を含めた総合的治療により、約半年で目立たない状態まで回復しました。患者様ご本人のセルフケアへの高い取り組みも、良好な結果につながった重要な要素と考えられます。
本症例は、エステでの安易な光治療のリスクと、やけど後の適切な段階的治療の重要性を示す症例です。

帝王切開後下腹部肥厚性瘢痕

怪我や事故などの傷跡部位:胸・腹・背中受傷時期:3年以上前状態:赤み
帝王切開術後の赤みと痛み・かゆみを伴う傷跡に対し、ロングパルスNd:YAGレーザーを中心にケナコルトとエクラープラスターを併用し、約8回の治療で症状と色調の改善が得られました。
本患者は40代の女性の方です。
4年前に帝王切開手術を受けられ、その術後に赤みを伴う傷跡が残存したため当院を受診されました。術後は近医にてケナコルト注射による治療を受けていましたが、色調の改善が乏しく、かゆみ・痛み・軽度の硬さが持続している状態でした。
初診時、下腹部の傷跡は明らかな強い隆起は認めないものの、赤みが主体の炎症性変化が残存しており、体勢や動作、衣服の圧迫によって痛みや違和感が出ることもあったと伺いました。帝王切開後の傷跡は、皮膚の張力や日常生活での刺激を受けやすく、赤みや症状が長期間残りやすい部位のひとつです。

以上の所見から、本症例では形態的な修正よりも、赤み(血管成分)と炎症のコントロールが最優先と判断しました。治療方針として、ロングパルスNd:YAGレーザーを用いた色調改善を中心に、必要に応じてケナコルト注射およびエクラープラスターの併用を提案しました。レーザーにより毛細血管成分を抑制しつつ、局所の炎症と硬さをコントロールすることで、症状全体の改善を目指しています。

治療は約1年にわたり継続し、計8回程度の治療を行いました。その結果、赤みは徐々に軽減し、最終的には痛みやかゆみも消失、触診上の硬さも改善しました。傷跡は平坦化し、見た目・症状ともに大きな改善が得られています。

治療終了時には、体勢によって生じていた痛みもなくなり、日常生活で傷跡を意識することがほとんどなくなったとのことで、患者様からも高い満足が得られました。
帝王切開術後の傷跡では、赤みや症状を含めた総合的な瘢痕評価と段階的治療が重要であり、本症例はその有効性を示す一例と考えられます。