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ヒルドイドで傷跡を消すことができる?ヒルドイドの効果や注意点を解説

2024.10.08

「切り傷による傷跡や軽い手術跡が気になる」
「なるべく病院に通わずに傷跡を消したい」

と思われている方もいらっしゃるでしょう。

本記事では、ヒルドイドによって傷跡を消す方法をご紹介します。
ヒルドイドの効果や注意点も詳しく解説しますので、ぜひ最後までご覧ください。

ヒルドイドとは?

参照:マルホ医療関係者向けサイト

ヒルドイド(Hirudoid)とは、主に皮膚疾患の治療に用いられる外用薬で、一般的には「ヘパリン類似物質」という有効成分を含んでいます。
ヒルドイドに含まれる「ヘパリン類似物質」は、肝臓で作られる「ヘパリン」という血液凝固を防ぐ物質に似た構造を持つ成分です。

ヘパリン類似物質を含んだヒルドイドは、血液の循環を改善することや炎症を抑える効果があり、主に皮膚の保湿や再生を促進するために使用されます。

ヒルドイドの効果

ヒルドイドの効果

ヘパリン類似物質という有効成分を含んだヒルドイドの「4つの効果」を詳しくご紹介します。

  • 保湿効果
  • 血行促進効果
  • 抗炎症効果
  • 組織修復促進効果

保湿効果

皮膚の水分を保持し、乾燥した肌を改善します。

傷跡をきれいに早く治すためには「保湿」は欠かせません。
皮膚のバリア機能を強化し、外部からの水分蒸発を防ぐことにより、乾燥肌の改善や保護が期待できるからです。

また、保湿効果により、乾燥によるかゆみやひび割れを防ぐことができます。

血行促進効果

ヘパリン類似物質は、血液の流れを良くする効果があります。

血行促進効果は、傷跡の周辺組織に十分な栄養と酸素が供給されることにより、皮膚の再生が早まり、傷跡を早く治すことができます。

また、血行を促進させることは、硬くなった傷跡を柔らかくする効果があり、盛り上がったり硬くなったりする傷跡を目立たなくすることが期待できるでしょう。

抗炎症効果

ヘパリン類似物質には、皮膚の修復を促す効果があるため、皮膚の炎症や傷跡の改善に使用されます。

炎症を抑える効果により、傷跡の赤みや硬さを軽減させることができるでしょう。
新しい傷跡には、効果がより期待できます。

組織修復促進効果

ヒルドイドを使うことにより、皮膚の新陳代謝を活発にし、組織の修復を助けます。

傷跡の赤みや硬さが和らぎ、皮膚の再生が促されることで、傷跡が目立ちにくくなります。

ヒルドイドで傷跡を消すことができる?

ヒルドイドで傷跡を消すことができる?

残念ながら、ヒルドイドを使って、傷跡を消すことはできません。
しかし、傷跡を目立ちにくくすることができます。

先述したように、まずヒルドイドに含まれる「ヘパリン類似物質」により、血行を促進させ、皮膚の新陳代謝を活性化させます。
そうすることにより、傷跡の赤みや硬さを軽減し、傷跡を目立ちにくくすることができるのです。

また、ヒルドイドは、傷跡ができて間もない傷跡に使用することで、効果をより発揮します。

ヒルドイドの副作用は?

ヒルドイドの副作用は?

基本的にヒルドイドは安全性が高く、副作用のリスクは比較的低いとされていますが、まれに以下の副作用が出る場合もあります。

  • 皮膚のかゆみや発赤
  • 皮膚の乾燥
  • かぶれ(接触性皮膚炎)
  • その他の皮膚症状

皮膚のかゆみや発赤

ヒルドイドを塗布した部位にかゆみや赤みが現れることがあります。
これは軽度なアレルギー反応の可能性があり、通常は使用を中止すれば症状は改善します。

皮膚の乾燥

一部でみられる副作用として、皮膚が乾燥することがあります。
ヒルドイドは保湿効果があるものの、まれに人によっては肌に合わず乾燥してしまうことがありますので、その場合は保湿クリームを併用するとよいでしょう。

かぶれ(接触性皮膚炎)

ヒルドイドの成分に対するアレルギー反応により、かぶれや湿疹が起こることがあります。
このような症状が現れた場合は、すぐに使用を中止し、医師に相談しましょう。

その他の皮膚症状

ごくまれに、ヒルドイドを塗布した部分が熱く感じたり、腫れを引き起こしたり、場合によっては皮膚の色素沈着などの症状が現れることがあります。

ヒルドイドの使用中に、刺激を感じた場合、また少しでも違和感を感じた場合は、今後の使用有無を医師と相談して決めてください。

ヒルドイドを使用する注意点は?

ヒルドイドを使用する注意点は?

ヒルドイドを使用する際には、いくつかの注意すべき点がありますので、詳しく解説していきます。

  • 抗凝固作用がある
  • 粘膜への使用を避ける
  • アレルギー反応に注意する
  • 医師の指示を必ず守る

抗凝固作用がある

ヒルドイドには抗凝固作用があります。

そのため、血液凝固が正常に行われない出血性血液疾患(血友病、フォン・ヴィレブランド病、血小板減少症、紫斑病など)を持つ患者に使用すると、出血リスクがさらに増加する可能性があるので、ヒルドイドは使用しないでください。

粘膜への使用を避ける

粘膜は皮膚よりも敏感で薄いため、薬剤の吸収が高く、刺激や炎症のリスクが高まります。
そのため、ヒルドイドを粘膜に使用すると、ヒリヒリ感やかぶれ、炎症などの副作用が生じる可能性があります。

万が一、ヒルドイドが誤って粘膜に触れた場合は、すぐに大量の水で洗い流しましょう。
また、異常を感じた場合は、医師に相談してください。

アレルギー反応に注意する

ヒルドイドに含まれている成分や添加物、界面活性剤、保存料などによって、アレルギー反応を引き起こす可能性があります。

ヒルドイドの使用後に、皮膚の発赤、かゆみ、腫れなどのアレルギー反応が出た場合は、すぐに使用を中止し、医師に相談してください。

医師の指示を必ず守る

ヒルドイドは、必ず医師の指示に従って使用しましょう。
特に、他の薬や治療と併用する場合、相互作用の可能性を考える必要があるため、必ず医師や薬剤師に相談してください。

ヒルドイドの種類

ヒルドイドの種類

ヒルドイドの種類は、主に6種類です。
それぞれ用途に合わせて使い分けましょう。

種類用途
ヒルドイドクリーム水分と油分のバランスが良く、保湿力が高いです。
皮膚に馴染みやすく、乾燥肌の保湿や炎症を伴う肌のケアに適しています。
新しい傷跡や乾燥が気になる部分に有効。
クリームは伸びが良く、特に顔や関節など動きの多い部位に使用するのに向いています。
ヒルドイド軟膏油分が多く、乾燥した傷跡や硬くなった傷跡に適しています。
軟膏が皮膚にしっかりと密着し、保湿効果が持続するため、硬い傷跡を柔らかくするのに役立ちます。
ヒルドイドローション水分が多く、さらっとした使い心地なので、広範囲の傷跡ケア、特に脂性肌の人に適しています。
使用後すぐに衣類を着てもべたつかないため、日常的に使いやすいです。
ヒルドイドスプレースプレータイプで手を汚さずに使うことができます。
特に手の届きにくい背中や足などの傷跡ケアに適しています。
保湿力はクリームや軟膏に比べると少ないですが、乾燥があまりない軽度の傷跡への使用に向いています。
ヒルドイドフォーム泡状で出てくるため、伸びがよく使いやすいです。
肌への浸透が早いのが特徴で、使用後もべたつきが少ないため、日中に何度も使用したい場合や、薄く広範囲に塗りたい場合に向いています。
軽い傷跡ケアを繰り返し行いたい場合に、便利です。
ヒルドイドゲルゲル状で油分が少なく、べたつきが気になりにくいため、脂性肌や夏場などに使用しやすいです。
保湿効果はやや控えめですが、軽度の乾燥やかゆみ、脂性肌の人やべたつきが気になる部位(顔や首など)の傷跡ケアに適しています。

傷跡ケアには、保湿力の高いヒルドイドクリームや軟膏が特に効果的です。
しかし、伸びが良く広範囲に塗りたい場合は、ヒルドイドローションが良いでしょう。
その他にも傷跡や肌質に合わせて、ヒルドイドの種類を選びましょう。

ヒルドイドはどこで買えるの?

ヒルドイドはどこで買えるの?

この章では、ヒルドイドはどこで買うことができるのかについて説明します。

病院やクリニック

ヒルドイドは、医師からもらう処方箋が必要な薬剤です。
皮膚科や内科、美容クリニックなどで診察を受け、処方箋をもらうことにより、調剤薬局でヒルドイドを購入できます。

オンライン薬局

一部のオンライン薬局では、医師からの処方箋を郵送またはデジタルで送信することにより、ヒルドイドを購入することができます。

オンラインだとしても処方箋がなければ購入できないため、まずは医師の診察を受ける必要があります。

ヒルドイドで傷跡を消すことができる?|まとめ

ヒルドイドで傷跡を消すことができる?|まとめ

本記事では、ヒルドイドによって傷跡を消す方法やヒルドイドの効果、注意点を詳しく解説しました。

ヒルドイドに含まれる「ヘパリン類似物質」という有効成分には、保湿、血行促進、抗炎症、組織修復促進効果が期待でき、傷跡を目立たなくさせることができます。
ヒルドイドの種類は主に6種類ありますが、傷跡ケアに適しているのは、保湿力の高いヒルドイドクリームや軟膏です。

ただし、使用する際には注意も必要ですので、必ず医師と相談してご使用ください。

また、ヒルドイドを購入する際には、処方箋が必要なため、医師による適切な診療を受けましょう。さらに、傷跡をしっかりと消したいと思われる方は、「なぜポテンザが肥厚性瘢痕や術後早期の傷跡に効果的なのか?」をご覧ください。