赤く盛り上がった傷跡が、なかなか引かずに残ってしまった——。
それはもしかすると「ケロイド」かもしれません。
しかし実は、「ケロイド」に似たものに「肥厚性瘢痕(ひこうせいはんこん)」という病名もあります。
本記事では、「ケロイド」と「肥厚性瘢痕」の違い、そしてその診断に活用されるスコアリングシステム「JSW Scar Scale(JSS)」について、形成外科専門医が詳しく解説します。
ケロイドと肥厚性瘢痕は、どちらも傷のあとが盛り上がるという特徴がありますが、その“進行の仕方”に大きな違いがあります。
ケロイドは「火事が起きているような状態」とも表現されるほど炎症が強いため、刺激が強い治療(例:フラクショナルレーザー)はかえって悪化する可能性があります。
ケロイド診断の一助となるのが、JSW Scar Scale(通称:JSS)です。
これは、瘢痕・ケロイド治療研究会(Japan Scar Workshop)が作成したスコアリング表で、以下のような複数の項目を点数化することで、ケロイド体質かどうかを判定します。
点数が16点以上なら「ケロイド」、15点以下なら「肥厚性瘢痕」の可能性が高いとされます。
スコア表は誰でもダウンロード可能です
瘢痕・ケロイド治療研究会の公式HPよりダウンロードできます。
このスコアは一般の方でも使える設計になっていますが、最終的な診断は専門医の判断が重要です。
特に傷跡治療を専門にしている形成外科医が、正しく評価・判断することで、より適切な治療につなげることができます。
傷跡治療は形成外科の専門分野です。皮膚科よりも、形成外科への相談をおすすめします。
ケロイドは放置して自然に治ることはほとんどありません。
しかし、正しい診断と治療を受けることで、痛みやかゆみを和らげ、再発を防ぐことが可能です。
当院では、保険診療の範囲で行える「エクラープラスター」や「ケナコルト注射」などの治療もご用意しています。
花粉症と同じく「体質」だからこそ、適切な対処で人生の質は大きく変わります。あきらめず、一緒に治療していきましょう。
当院では、公式LINEを通じた写真送信による無料カウンセリングを行っています。
「自分の傷はケロイドかも…?」と少しでも感じた方は、お気軽にご相談ください。
ケロイドでお悩みの方は、ぜひ一度、形成外科専門医の診察を受けてみてください。
あなたの傷跡に、適切な対処法があります。