引き続きリストカットに対する手術治療についてのお話です
今回は戻し植皮のお話をさせていただきます
戻し植皮は、これまでお話ししてきた治療とは大きく違います
非常に可能性の高い、未来のある手術だと思っています
この手術がこれからリストカット に対する治療のメインとなっていくと自分は感じております
ただ手術には時間も手間もかかります
その分患者さんの負担も大きいものになります
ただ、負担の大きい分この手術は
傷跡の感じを大きく変えることが出来ます
具体的な手術方法を説明します、
まず、傷跡の部分の皮膚を薄くとります
その部分の下の皮膚(真皮)を平らにならします
そして、また皮膚を戻して縫います
その戻す際に90度に回転させることもあります
一度皮膚をとって、それをまた戻すことによってまったく違う傷跡へと変わります
そして横方向の傷跡の多くが、その傷跡のなかに埋もれてしまいます
メリットとしては
他の部分から皮膚を持って来る必要がない
横方向の傷あとがなくなる
ひきつれがおこりにくい
です
また、デメリットとしては、
とても薄い皮膚を持って来るため、術後に赤くなったり湿疹や色素沈着が できやすい
落ち着くまでは1年くらいかかる
です
この戻し植皮は最近、慶応大学の林先生、清水先生、
そして日本医科大学の小川令教授も先日論文投稿をされています
尚、この論文掲載は、日本医科大学形成外科小川令教授に許可をいただきました
世界的にも報告はまだ少ないですが、信頼できる先生方が推奨されています
自分はこの手術が、リストカットの治療で悩む方々にとって、大きな可能性を持つと感じています
特にフラクショナルレーザーなどで、結局満足できる結果を得ることができなかった方などに受けていただきたいです
次回は詳しく手術の内容について説明したいと思います
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