学会で発表してきました | きずときずあとのクリニック 豊洲院 | 東京都江東区の形成外科・美容外科

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学会で発表してきました

2019.11.10

先週末、学会へと参加してきました。

診療もお休みさせていただき、ご迷惑をおかけして申し訳ございませんでした

今回参加させていただいたのは、傷跡に関する国際学会でした

日本医科大学形成外科が主催でしたが

教授の小川令先生にお声がけ頂き、自分は学会発表もさせていただきました

正直なところ、この2週間くらいは本当に緊張していました

診療は普通でしたが、なかなか家にもかえれず家族にも迷惑をかけました

ちなみに発表内容は、最近当院で行なっている、

「リストカット痕に対する戻し植皮」

に関してです

今回の発表内容について簡単に説明します。

昨年の11月から今年の5月くらいまでに12人の患者さんに対してこの戻し植皮手術を行いました

またアンケートも行いました

今回の発表では、その治療内容、結果とアンケート結果について報告しました

アンケートでは、赤みやかゆみ、硬さ、盛り上がりなどの傷跡について

そしてこの手術を満足しているか、他の人に勧めるかという項目について、5段階で評価してもらいました

1が一番最高点で、5が不満足です

アンケートでは、ほとんどの項目の平均点は2点以下でありました

痛みやかゆみ、色などは1.5点

ひきつれは1.33点

傷跡の肥厚は2.17点

そして全体的な満足度も1.83点と、予想よりも良い数字でした

今回のアンケートで、この手術が患者さんにとって満足度の高い手術だということがわかりました

ただ、今回は術後半年くらいの評価になります

おもったよりも術後の傷跡が目立ってしまっていると感じている患者さんや、

満足できていない患者さんも何人かいらっしゃいます

術後1年くらいでのきちんとした評価がほしいですね

引き続きアンケートも続けていき、結果について報告をしていきたいと思います

さて学会の総括です

今回ははじめて「きずときずあとのクリニック 豊洲院」で行なわれた症例に関しての国際学会での報告でした

自分自身とても緊張して臨みました

ただ、学会発表のため、これまでの症例を振り返ったり

過去の論文などを調べたり

当院での治療内容の復習と、さらなるアップデートのためには非常に良い経験となりました

また今回の学会はアジア太平洋の学会であり、アジア各国の先生方の発表もたくさん聞くことができました

その中で衝撃的だったのが、海外の先生、特にシンガポールや中国、台湾や香港などの先生方の治療のレベルの高さです

自分がシンガポールに留学していた時にお世話になったGale先生です

学会に来られていて3年ぶりにお会いしました

傷跡の治療の中でも特にレーザー治療などは日本とは比べものになりません

残念ながら、日本において傷跡治療におけるレーザー治療は保険適応ではありませんので、一般的ではありません

将来を考えても、日本の保険診療は縮小の方向にあり、今後傷跡に対するレーザー治療が新たに保険収載されるかどうかは難しいところでしょう

ただ、傷跡の治療において、レーザー治療は欠かせません

自分自身、傷跡に対するレーザー治療をもっと深めていきたいと思っていますが、この治療をアップデートするには、日本の先生たちと話をするよりも、海外の先生たちと話をするべきだということを再確認しました

そのためには自分ももっと海外の論文を読んで、英語も勉強しなくてはなりません

正直大変ですが、自分がしないで誰かがやるのかいう思いで頑張ります

ちなみにこの学会の後、レーザーを3種類入れることを決めました

チーン

最後に

今回、学会に誘っていただいた、日本医科大学教授の小川先生には改めて感謝申し上げます

そして当院で戻し植皮を受けていただいた患者さまにも改めて心より感謝いたします

さらに、手術を手伝ってくれた非常勤の先生方

いつも初診から手術まで明るく患者さんに対応してくれるクリニックメンバー全員

そして最後に、いつも支えてくれる家族には本当に感謝しかありません

本当にありがとうございます

引き続き頑張っていきたいと思います

記事執筆者

院長村松英之
きずときずあとのクリニック豊洲院院長 村松英之

資格

日本形成外科学会専門医
日本熱傷学会専門医
日本創傷外科学会専門医
皮膚腫瘍外科分野指導医
小児形成外科分野指導医