海外でのボランティアミッション⑥ | きずときずあとのクリニック 豊洲院 | 東京都江東区の形成外科・美容外科

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海外でのボランティアミッション⑥

2020.02.12

ご無沙汰しております、

怪我、やけど、そして傷跡で悩む患者さんに全力で安心と勇気と笑顔を届ける「きずときずあとのクリニック 豊洲院」村松英之です

自分のこれまでのボランティアに関するブログですが、

なんと前回から2ヶ月も空いてしまいました!!

正直自分の心の中にも引っかかってたんです、このブログ・・・

「そんな読んでる人いないしもう少し後でもいいかな・・・」

なんて考えながらボケーっとチョコとか食ってました

チョコウマー

でも先日、うちのスタッフから

「あのブログの続きが気になりますが、いつ再開するんですか?」

と衝撃的な質問をされたので、また再開したいと思います

一応あと5回くらいで終える予定です

頑張ります!!

海外でのボランティアミッション⑤

前回の続きです

さて、やっとパレスチナに入国しましたので、肝心のボランティアミッションについて少し書きます

ほぼどのボランティアミッションでも、大体期間は1週間前後です

その予定は

1日目:入国

2日目:スクリーニング

3〜6日目:手術

7日目:観光などのプライベート、帰国

といった感じです

今回はスクリーニングについて話をしたいと思います。

このミッションでは、早朝にイスラエルに入国しました

そしてそのまま、タクシーで手術が行われる病院へ向かいました

手術は、パレスチナのTulkaremにありますTulkarem 病院で行われます

テルアビブ空港(写真左下)

に入ったので,

Tulkarem病院(写真右上のマーク)へ向かうためには、イスラエルからパレスチナへ入国しなくてはなりません

このパレスチナの入国にも結構色々とエピソードはあるんですが、

この時は、タクシーの運転手が対応してくれて問題なくスムーズに入国できました。

タクシーからの景色です、一面岩だらけ、たまにオリーブの木 

そしてTulkarem病院に到着しました

だいたい朝の11時くらいでしょうか、到着して早々に休む間も無くスクリーニングが始まります

スクリーニングとは何か?

4日間という短い手術日程の中で、どの患者さんを手術するかという選別を行うことです

困っている患者さん全てを治療してあげたいのですが、

誰を手術するかを予定を立てなくてはいけません

スクリーニングで、手術を行う人を決めます

我々が病院に到着した時、もうすでに待っている患者さんが100人以上おります

患者さん以外には、

このミッションを主催するPCRFからのコーディネーターやスタッフが数名

そしてこの病院で働く研修医のような若い先生が通訳として手伝ってくれます

森岡先生と手術について話す現地のスタッフたち

現地の住民の方々はアラビア語なので、それを英語に通訳してくれます

流れとしては

1、一人ずつ家族と共に部屋に呼びます

2、診察をします

3、写真をとります

4、治療内容について検討します

5、手術を行うかどうかを決定します

6、手術について簡単に説明します

手術が決まった患者さんは、別室で採血や同意書が取られます

診察やらで一人に大体5分前後かかります

それを100人以上に行います

ですんで1日がかりのスクリーニングになります

途中でお昼も交代で食べて、みんなで朝から夕方まで頑張ります

重症のやけどの患者さんが非常に多いです

次に多いのが耳の変形です

日本人はあまり気にしないですが、こちらの人は宗教上、とんがっていたり前に立っている耳を、悪魔の耳(devil’s ear)として忌み嫌います

さて、患者さんの中には、

遠くから来ている人

我々形成外科医師が来るのをずっと待っていた

という人もいます

困っている人全員を助けてあげたいとは思います

でも全員に対して治療をすることはできません

なのでスクリーニングで選別をしなくてはいけないのです

このようなボランティアミッションで、手術患者さんを決めるときに大事なことは

体調に問題がなく安全に手術ができる

手術による治療効果が高い

手術時間があまり長くない

手術の成功率が高い

ミッションの一番の目的は

できるだけたくさんの人に形成外科の医療を届けること

です

つまりこのような海外ミッションで大事なことは

質よりも量なんです

どれだけレベルの高い手術を行うかどうか

ではなく

「どれだけたくさんの人に幸せになってもらうか」

なのです、

この病院も日本の援助があって建てられた病院です

我々がこの病院で手術をすることは偶然なのです

ただ、このように我々の先代がつくった施設が世界中には多くあります

海外のボランティアミッションでこのような施設をみるたびに自分は日本人であることを誇らしく思います

そして、そのような施設は世界中にあるのです

次回は手術についてお話しします

早めに書きますね

記事執筆者

院長村松英之
きずときずあとのクリニック豊洲院院長 村松英之

資格

日本形成外科学会専門医
日本熱傷学会専門医
日本創傷外科学会専門医
皮膚腫瘍外科分野指導医
小児形成外科分野指導医