眼窩底骨折(がんかていこっせつ)は、目の周りの骨が損傷する深刻なケガであり、手術が必要になることがあります。
しかし、手術を受ける際に
「眼窩底骨折術後にはどのような傷跡ができてしまうのか」
「眼窩底骨折術後の傷跡は残ってしまうのだろうか」
と多くの方が不安を抱いています。
近年の医療技術の進歩により、眼窩底骨折手術の傷跡は非常に小さく抑えられることが一般的ですが、完全に残らないとは限りません。
本記事では、眼底骨折手術による傷跡や傷跡を目立たなくさせるためのケア方法について詳しく解説します。
眼窩底骨折手術は、目の下に位置する眼窩(がんか)の底部分が骨折した際に行われる外科手術です。
眼窩底骨折をしてしまうと、視力の低下、複視(ものが二重に見える)、目の周囲の腫れや変形、さらには目が動かなくなることがあります。
眼窩底骨折は、目の周りにある骨の底部分によるケガで、主に強い衝撃が加わることが原因で骨折に至ります。
特に以下のような状況で発生することが多いです。
眼窩底骨折が発生すると、視覚や目の周囲の感覚に異常を感じることがあるため、早急な診断と治療が必要となります。
結膜・睫毛下・下眼瞼切開の3つがあります。
結膜切開は眼の裏側から切開するため、顔の皮膚に傷跡は残りませんが、手技的に難しくまた、骨折部分の視野も狭くなることがあります。
睫毛下切開は、睫毛の下を切る手術方法です。
形成外科では多く行われる方法で傷跡も目立ちにくく骨折部分も見やすくなります。
下眼瞼の切開は、下まぶたの下のラインに沿って行われる切開法で、一番骨折部分に近い切開法でありますが、傷跡が目立ちやすくなります。
最新医療によって、なるべく傷跡が最小限になるように手術されますが、それでもなお傷跡が気になる方におすすめのケア方法をご紹介します。
乾燥した肌は、傷跡が硬くなったり、目立ちやすくなることがあります。
保湿をしっかり行うことは、傷跡を柔らかく保ち、目立たなくさせることができます。
レーザー治療は、主に傷跡の色素沈着や凹凸を改善するために使用されます。
フラクショナルレーザーやIPL(インテンス・パルス・ライト)などが用いられます。
ただし、結膜は照射できません。
ステロイド注射は、抗炎症作用を持つステロイド薬を直接傷跡に注入する治療法です。
注射を行うことで、ケロイドや肥厚した傷跡など、硬くなった瘢痕組織を柔らかくし、傷跡が平らにすることが期待できます。
また、ステロイドは炎症を抑える働きがあるため、傷跡の赤みや腫れを軽減します。
本記事では、眼底骨折手術による傷跡や傷跡を目立たなくさせるためのケア方法について詳しく解説しました。
眼窩底骨折手術後に傷跡が残った場合でも、適切な傷跡ケアを行うことで目立たなくさせることが可能です。
医療技術の進歩により、眼窩底骨折手術の傷跡は最小限に抑えられることが多いですが、必要に応じて専門的な治療を受けることも検討しましょう。
傷跡に悩んでいる方は、ぜひ医師に相談し、適切なケアを見つけてください。
さらに、ケナコルト注射について詳しく知りたい方は「ケロイド・肥厚性瘢痕に対するケナコルト注射について」をご覧ください。